フィリピーナと共に
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2009年08月05日

リン118 モナの妊娠

帰国後も相変わらず、毎日スカイプでモナとの会話を絶やさなかった。
ある日モナが、まだ生理がこないと言い出した。
本来は生理の予定日をとうに超えていたが、以前妊娠間違いで騒いだことのあるモナは、今回は慎重に切り出したようだった。
僕はフィリピンの旅行中から、今回は子供ができてもおかしくはないと思っていたし、それでできなければ、どちらかの体に何か問題があるかもしれないと思っていたので、それを聞いてもさほど驚きはしなかった。
むしろ横浜で子供ができなかったのが不思議なくらいであったから、今回できなければ本当に何か問題があると思った方がよかった。
僕が思ったのは、妊娠したとなれば少し先に考えていた結婚を早める必要はあるだろうな程度であった。

モナには僕が帰国してから約1ヶ月後にガイドの仕事が一つ入っていた。
ガイドの仕事はマニラなので、田舎から飛行機で移動しなければならない。
既に妊娠モードになっているモナは、もし妊娠だったら「嬉しい」と「心配」の気持ちが交互に襲ってくるらしく、かなり複雑怪奇な態度を示した。

「マハール、もし妊娠だったらどうする?あなた逃げる?」
「マハール、私達のベイビーよ、どう?嬉しい?楽しみだなぁ」
「マハール、ママにばれたら怒られるよ。どうする?」
「マハール、今飛行機の乗っても大丈夫かな?アコ心配だなぁ」

僕の態度は一貫していた。
「もし妊娠だったら産む(自分が産むわけではないけれど・・・)。できるだけ早く結婚する。子供が産まれてくることは嬉しい。余計な心配はするな。」である。

自分の態度も気持ちもきちんと表明しているにも関わらず、モナには色々と不安が付きまとっているようだった。

結局モナは、ガイドの仕事をするためにマニラに行き、その仕事が終わってから薬局で妊娠検査薬を買い友人のヘイセルのアパートでそれを試した。
「マハール、やっぱりアコ妊娠だったよ。なんか嬉しいなぁ。ベルも喜ぶよ。男と女、どっちがいい?」
「やっぱりそうか・・。わかった。男か女かはどっちでもいいよ。ベルは妹が欲しいんでしょ?僕は健康だったらどっちでもいいな。あなたは?」
「アコは男がいいなぁ。あなたに似ている男の子が欲しいよ。」
「そうか、それよりあなたが産む時の心臓が心配だよ。ドクターと相談して、もし厳しいようだったら、おなかカットね。」
僕はもし彼女が妊娠した場合のかねてからの心配ごとを口にした。

「え〜、それいやだな。だってカットすると直るの遅いって聞いたよ。」
「直るの遅いより、死んじゃったら困るでしょ。遅くても直るんだったらそっちがいいよ。死んだら直らないよ。」
「だってそれ神様が決めるでしょ」
「バカ、危ないだったら神様が決める前にまず安全な方法を選ぶのが普通だよ。とにかく今はその話よりも、ダディーとママにどのタイミングで話をするかだよね。」
「オッオー、どうするマハール。今すぐフィリピンにこれる?」
「今厄介な仕事を抱えてるから、全然動けないよ。ちょっと困ったね。ねえ、スカイプで話するのはだめ?一応顔も見えるでしょ?」
「・・・スカイプか。ママ大丈夫かなぁ。」

妊娠の事実をどのタイミングでどのように話しをするかについては、なかなか結論がでなかった。
それはモナが色々なことを気にしているからであって、僕は必要とあらばスカイプですぐに話をしてもいいと思っていた。

しかしモナが田舎に帰ってから、ママに妊娠していることがすぐにばれてしまった。
それはモナの生理が遅れていることをママはお見通しだったからだ。

突然ママがモナに「あなた前の生理はいつだった?」と聞いてきた。
モナがドキッとしながら、適当なことを言って誤魔化したそうだが、買い物から帰ったママが妊娠検査薬を持ってきて、ちょっとこれをやってみなさいと言ったそうだ。
モナはすぐにスカイプで電話してきた。
「マハール、大変よ。ママがこれをやりなさいって。もうばれちゃうよ。どうする?」
「どうするってそれやるしかないじゃない。どうやって話するか迷う必要がなくなるでしょ。もしそれがいやだったら、今僕がママに話ししようか。」
「今ママいないよ。」
「とにかくもう一回それをやってみたら?それでもう一回陽性だったらやっぱり妊娠だよ。それで早くママにも話をして、ちゃんと病院に行こうよ。ドクターに一度診てもらったほうがいいでしょ。あなたの心臓のことも相談したいしさぁ。」
家族に話をしないと、医者にもいけない。
体の弱いモナに早く医者に行って診てもらって欲しいと思っていたので、早くその機会が訪れそうなそのチャンスを僕はよしとしていた。

結局モナは再び妊娠検査薬を試し、陽性の結果をママに見せた。
2度検査薬を試してみて陽性となったのだから、もはや妊娠は間違いなさそうだった。

ママも僕がフィリピン滞在中に子供ができるかもしれないと心配していたくらいだったから、何の予期もない中で突然知らさせるよりは驚きは少なかったはずだが、妊娠という事実はママにショックをもたらしたようだった。
結婚前に妊娠したことについて、学習能力がないとモナを怒った。
怒鳴りつけたわけではなく、一言それを言ったきり口をきかなくなってしまった。

モナの田舎では、結婚前に妊娠をすることはふしだらなことで、もしそれが発覚すると近所や親戚の中でうわさの的になり白い目で見られるらしい。
しかもモナは結婚せずにベルを産んだ前科がある。
母親が気にしていたのは、とにかく世間体だった。
もちろんそれは当人のモナも同じで、今度も結婚せずに子供を産むようなことになれば、モナは田舎から逃げ出すしかないと考えるほど、プレッシャーを感じていた。
二人で結婚の約束を交わし、将来のことについては幾度となく話し合ったにも関わらず、モナは僕が本当に結婚してくれるかということを、その後に及んでも何度も確認してきた。

モナにはおかしな固定観念があった。
それは、男は相手の女が妊娠したら逃げる、そして逃げない場合でも妊娠しておなかが大きくなったら男はそんなセクシーじゃない女と一緒に歩くのが恥ずかしい、さらには男はおなかが大きい女には魅力を感じないからセックスするのが嫌で、他の女と浮気をするというものだった。
モナはそんな自分の心配を、何度も普段の会話に織り交ぜて僕に確認してきた。
僕は、「世間の男は自分の子を身ごもっている女と一緒に歩くのが恥ずかしいの?そうなの?」と逆にモナに尋ねると、彼女は「わからないけど・・」と言葉を濁した。

「僕はおなかが大きくなったって、一緒に町の中を歩くし、恥ずかしくなんかないよ。なんで恥ずかしいの?大丈夫だよ、ベルと3人で一緒に散歩しようよ。」
「ほんと?それ約束よ、マハール。子供産むときもちゃんと一緒にいてね。」
「大丈夫だよ。約束するから。からだに悪いからそんなことで心配しないでよ。」


ママの無言状態は2日間続いたが、その後ママはモナに、僕が妊娠を知っても本当に結婚する気はあるのかと確認してきた。
モナはもちろんと答えたことにより「それじゃできるだけ早く籍をいれなくちゃね」と、ようやく前向きにモナの妊娠について話をするようになった。

さすがにママもフィリピーナの端くれで、いったん気持ちを入れ替えると今度はダディーと二人で、今度の孫は男の子が欲しいなどと嬉しそうに話をするようなった。
モナには、セックスをして子供の通路を広げておけば産むときに楽だから、それを僕にちゃんとお願いしなさいなどのアドバイスも飛び出すようになった。
日本人とフィリピン人のミックスはどんな顔になるかなぁと、ダディーとママは二人で真剣に話していたそうである。
モナはベルにいつ兄弟ができたことを伝えようかと考えていたみたいだが、ママがいち早くベルに教えてしまった。
ベルは前から妹が欲しかったので、モナのおなかを触りながら早く生まれてきてと喜んでいた。

最初はどのように妊娠を両親へ告げるかを心配していたが、過ぎてみれば全て丸く収まったかたちになり、僕とモナはひとまず安心していた。

これで堂々と病院に行くことができるモナは、それほど日をおかずにベルを産む時に診てもらったドクターのもとへと行った。
フィリピンの産婦人科医はほとんどが女性で、日本のように多くの産婦人科医が男性であることはフィリピーナ達にとっては考えられないことらしい。
モナが以前お世話になった女医にきちんと妊娠を確認してもらったが、モナの子宮はストレスで通常より下がっており、とても妊娠しにくい状態であったことがわかった。
「これでよく妊娠できたね」というのがドクターの言葉で、普通は妊娠しないらしい。
そこで初めて、横浜でも中々妊娠しなかったことが納得できた。

それからまもなくして、モナのつらくて長いつわりが始まった。
ベルの時とは比べ物にならないくらい辛いつわりであるらしく、お父さんが日本人だからかなぁとモナはよく話していた。
それでもベイビーのためにと、モナはがんばって食事を摂った。
栄養や休息、軽い運動など、モナはインターネットで色々と調べながら、おなかの子供に良いと言われることはとにかく気を使い試した。
ドクターの言いつけもきちんと守り、その生活態度には彼女の几帳面な性格が色濃く出ていた。
体の弱いモナであったから、僕は密かに流産を恐れていた。
それだけ子供を大事に育もうとしているモナに、もし流産などという事故がおきたら彼女は精神的に耐えられるだろうかというのが一番の心配だった。
もしそうなった時には、仕事を投げ打ってでもフィリピンに行くしかないと、それだけは心の中で決めていた。
だから彼女の体調については、遠く離れた日本にいる僕も常に気にしていた。

幸い子供は順調に育ち、今では時々おなかの中で元気に動いている。
子供が動かなくなるとモナはすぐに心配になって大騒ぎするのだが、しばらくしてまた動き出すと、ケロッとしてベルと一緒におなかを触っている。
出産予定日は2009年の11月末だそうだ。

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カテゴリー:国際恋愛
エントリー:リン118 モナの妊娠
この記事へのコメント
おめでとうございます。もうその頃にはフィリピン在住ですね(^^)
ストーリー上なんとなくわかってたけど、おめでたい事は嬉しいことですね。

また報告お願いしますね(^^)
Posted by sweethome at 2009年08月05日 15:37
おめでとうございます。


日本の産婦人科の女医さんは、結構キツイ先生が多いです。

モナさんの妊娠への固定概念、なんだかトラウマのような感じがします。でも、markさんのおかげでちゃんとしたマタニティライフが送れそうですね。

信憑性は分かりませんが、一人目と二人目のつわりの辛さの違いは、性別の違いでもあるとよく耳にします。私の場合は、ビンゴ!一姫二太郎です。

食生活にしても、まずはママ自身が神経質にならないことが一番だと思いますよ。

奇跡にも近い妊娠、強い運命の力を持った赤ちゃんですもん。

スカイプでも何でも良いですから、いっぱいおなかの赤ちゃんに声を聞かせてあげてくださいね。

赤ちゃんって、お父さんの声にちゃんと反応するんですよ〜。
Posted by 2児のママ☆みーぼー at 2009年08月05日 17:34
>sweethomeさん
ありがとうございます。
これからが大変ですよね。
不安がいっぱい。
何とかなりますかねぇ・・・。
いや、何とかしないといけないですね。
がんばります!
Posted by Mark at 2009年08月05日 23:15
>みーぼーさん
ありがとうございます。
そうですね、モナの反応はおそらくトラウマそのものですよね。
おなか大きいの、気持ち悪くない?って今日も聞かれました。
どうも色々なことで、神経質になっているようです。
しかも子宮の中に、なにか出来物のような物があることが発覚。
子供を産むときに、一緒に除去するそうです。
とにかく今気にしても何もいいことはないから、とにかく今は体力をつけなさいと話したら、ドクターにも同じことを言われたと言っておりました。
つわりと子供の性別の話、フィリピンでも同じことが言われているようですね。
モナも家族も、子供は男の子と信じているようです。
声も聞かせたいけど、触りたいですねぇ〜。
Posted by Mark at 2009年08月05日 23:25
ここのところ忙しくて腑抜けてました。

おめでとうございま〜す!
私と誕生日近いかも。同じだったらいいなぁ〜。
(娘に近い友人とは誕生日が一緒なのが自慢なもので。。。意味ないですけど)
Posted by オメガ at 2009年08月06日 23:10
>オメガさん
ありがとうございます。
本当にお久しぶりですね。
生まれたらまた報告しますね。
その時誕生日が一緒かどうか分かりますよ。
もしビンゴだったら、その時またコメント下さいね。(笑)
Posted by Mark at 2009年08月07日 02:28
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