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2015年06月24日

742.安全保障法制法案について2

(前回の続き)
 世の中では様々変化が起こっているけれど、その内容は極めて分かりやすいものもあれば、分かっているつもりでも、実際はそれほど見えていないものもある。
 例えば三十年前、仕事はほとんど図面もレポートも手書きだったけれど、今はパソコンが当たり前になっている。現代はパソコンがないと仕事ができないと言っても、普通に通用する時代だし、本気でそう思っている人がとても多いはずだ。人がパソコンを道具として使う時代を謳歌していたら、実は人口知能に仕事をさせることが積極的に模索される時代に入ろうとしている。
 韓国では国境警備に人型ロボットが配備され、それがロボコップのように人を撃つことができるようプログラミングされているから、世界の大きな非難の的になっている。人工知能が搭載されているか否か、韓国は口をつぐんでいるけれど、もし搭載されているとすれば人類の大きな脅威になり得るとの警鐘が発せられている。
 携帯電話も当たり前になり、便利な世の中になったと思っていたら、あれよと言う間に持ち歩き自由のパソコンのようなスマートフォンが普通になった。インターネットはどこでも繋がり、いつでもどこでもクラウドサーバーにアクセスできる。携帯で撮った写真を、データ移動の操作をせずに自宅のパソコンで見ることも、普通にできるようになった。
 逆に仕組みを把握しておかなければ、個人情報がもれなく流出してしまうこともある。携帯などは情報を全部消したつもりでも、アカウント情報を入力したら勝手に電話番号情報を始めとする個人情報が完璧に復元されてしまうことがあるし、携帯の情報消去はインデックスを消去するだけで、中身の実態がメモリに残っているから、データ消去はただ見えなくなるだけということを知らなければ、中古携帯だって人によっては簡単に情報を復元できてしまう。
 こうして振り返ると、こうした身近な事柄については、世の中随分変わったものだとその違いは一目瞭然でも、変化の過程では何が起こっているのか分かりづらいことも多く、具体的なことになると知っているつもりで知らないことも意外にあるものだ。

 冒頭、IT関連の変化を例として書いたけれど、これは世の中の変化として、比較的分かりやすい事例である。
 しかし、例えば世界情勢という観点での変化についてはどうだろうか。
 世界情勢と言っても様々なカテゴリーがあるけれど、経済や紛争、食料や環境問題やエネルギーや、それらを含むパワーバランス等において、今に至る経緯と現状についてはどうだろうか、ということである。
 唐突に、なぜ今、世界情勢? と思われるかもしれないけれど、それは最近、様々な方による日本の方向性の議論が盛んで、インターネット上でそれに対する意見を述べる記事を多く目にするからだ。そして僕はそれらの記事の中で目にする、ときに一方的に感じる意見が、日本を取り巻く世界情勢を鑑みてのことだろうかという素朴な疑問を持つからである。
 このような素朴な疑問が誘引される一つの理由として、これは反現行政権意見の一つの例だけれど、それらの記事の中に、安倍総理を始めとする与党の人間を、嘘つき、売国奴、チンピラ、跳ね上がり、素人、魑魅魍魎という表現を使い断罪しようとする意図が見え隠れすることである。そして意見が違う対立者に、何らかのレッテルを好んで貼りたがる人が多く見受けられることだ。
 僕は熱狂的な安倍さんファンではないし、反政権意見の中に同調するものも含まれることがあるけれど、意見を述べたいならばレッテルを貼る必要はないし、失礼な表現を使うこともないだろうと思っている。
 あまりにそのような表現を使いながら一方的にまくしたてられると、それは本当に正しいことなんですか? 自信があってそこまで言うんですか? と、へそ曲がりの僕は思ってしまうのである。

 特に気になるのは、アメリカの高官や日本の政治家、評論家、新聞、雑誌の意見を持ち出し、それが全てであるような表現を使いながら、自分と意見を異にする相手を貶めたり悦に入っている記事である。
 自分自身のユニークな意見を常に参照記事の裏に隠している(誰かに代弁させている)のだから、相当自分に自信がないのだろうと思っているけれど、その割りには人を攻めるときの威勢がよいから気になってしまうのだ。気に入らない人や組織をくず呼ばわりする(排除したい気持ちの現れ)のであれば、せめて根拠なり説得力のある意見、説明をしてからにして欲しいものである。
 
 一つだけ具体例をあげると、あるアメリカの元高官が、アジアはとても安定しているという発言をしているから、安倍総理は嘘の理屈をこねて日本人の危機意識をあおり、自分の野望を遂げようとしていることが明らかになった、という主旨の記事があった。しかし一方で、現役のあるアメリカ高官は、北朝鮮とその周辺は、世界で最も危険な地域と言っているのである。あるいは最近、元アメリカ高官が、このままでは米国は、中国といつ戦争になってもおかしくないと発言している。同時に中国共産党下部組織と言っても差し支えない新聞社が、アメリカとの間に戦争も辞さないと言っている。
 この矛盾する発言はどれも知名度の高い方や組織のものだけれど、本当は危険なのか、安全なのか、これらは一体どのように解釈したらよいのだろうか?
 僕自身は北朝鮮という国を信用しておらず、特に最近の無節操な粛清話しを聞きながら、歴代独裁者の中で最悪の人がトップになったのかもしれないと思っている。もし彼が真正の馬鹿であれば、何か事を起こす(他国に対する水面下工作やテロ行為を活発化させる等々)こともあり得ない話しではないと思っているのだ。特に日本は、国防という観点で非常に不利な地形と、更に海岸線に原発を抱えているので、北朝鮮の脅威は常に意識する必要があると思っている。
 また中国については、南シナ海での埋め立て強行や地中海でのロシアとの合同軍事演習実行など、欧米牽制の動きやアメリカに対する挑発言動が活発になっている。中国が地中海でロシアと合同演習を実施したことは、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加表明したヨーロッパの国々にはさぞかし衝撃だったに違いない。欧州は、改めてロシア・中国対応策を熟慮しなければならないだろう。また中国は、次(八月)は日本海でロシアとの合同軍事演習を行うと言っている。領土・領海の侵略を進めながら、それを脅かすのであれば軍事行動もやむなしとあからさまな挑発行動を取る国が中国なのだ。
 最近、二階堂氏が率いる日本の訪中団が、中国による異例の歓待を受けたが、中国はこの現代社会においてもみえみえの飴と鞭を使い分け、遠慮なく策略を繰り広げる国である。これを警戒しない方がおかしいと思うのは、僕だけだろうか。
 
 他にも防衛白書の件、安全保障法制法案の件など、詳細に確認もしくは指摘したくなる内容は満載だけれど、とにかくそれらの一つ一つがあまりに重箱の隅だったり言葉の揚げ足取りで、世の中の大きな流れをつかんた上で物事を考えているのか疑問に思えてくるのだ。そして常に近視眼的で偏った思考と物言いに、起こっている事象にはそれの原因となる様々パラメータがあることを、承知しているのだろうかと思えて仕方ない。
 パラメータは多岐に渡り複雑に絡み合うけれど、昨今はこれがますます複雑になっていて、頭の悪い人には国の舵取りが難しくなっているように感じられるし、政治家や専門家にしても、それら全体を見渡せるバランス感覚を持つ人が少ないようにも思える。多くの人が自分の専門知識をひけらかし、自分の立場を考慮しながら発言するのに終始する。よって世の中で権威と呼ばれる人の言うことが正しいわけではなく(むしろ偏っている方が多い)、とにかく世に出回る情報は鵜呑みにしてはならないことを痛感するし、情報は自分の思考で租借しなければならないと思われるのだ。そこにおいて、立場や感情は脇において、ということである。
 
 さて、最近の世の中の変遷について、僕は次のように捉えている。
 かなり大雑把に言えば米ソ冷戦、その終結、アメリカ覇権の時代、その終焉、そして今、民族主義の台頭という流れではないだろうか。
 自由資本主義と共産主義の闘いに決着がつき、実際には世の中に右も左もなくなった。それに気付かない人、認めたくない人も多くいるようだけれど、実際に対立軸を失い、日本の政党、政治が迷走したのは記憶に新しいところである。これらのことは、事実上、日本の中でも左右主義が崩壊した証である。
 対立軸を失った日本の政治状況は、野党が与党の揚げ足取りに終始する構図を生み出した。その愚行に多くの国民が嫌気がさしたことも記憶に新しい。これらの情勢下で、社会党党首、民主党党首の首相が誕生したことは画期的なことであったけれど、せっかく千載一遇のチャンスを与えられた民主党は、国民の期待を大きく裏切ったと僕は考えている。今の日本の中に存在する自民党支持は、民主党のあまりに酷かった政権運営の反動ではないだろうか。民主党政権を経験した日本人は、政治に単なる思想や高尚な理想、金のばらまきではなく、首相や与党としてのリーダーシップや手腕を強く期待するようになったと感じられる。
 そして、安全保障法制法案という久しぶりの明確な対立軸を手にした日本の政界は、与野党間でその攻防の激しさを増している。野党は再編を睨み色めきたち、小沢さんもこのチャンスに乗ろうと動き出しているようだけれど、目の前に立ちはだかる小沢アレルギーをどうやって崩していくのか、ちょっとした見ものである。再び『作っては壊すだけの人』になれば、小沢さんの実質的な政治生命は終わりになるような気もしないでもない。
 安倍政権が高い支持を維持する現在の日本で、やはり日本人が賢いと思えるのは、最近騒がれている安全保障法制法案の不支持率が高いことである。自民党支持層の中でも、現在の法案審議において、説明が不十分と思っている方々が八割程度いたように記憶している。
 この法案の背景には、もちろんアメリカと自民党政府の目論みが見え隠れする。アメリカは世界の警察官として疲れ始めた、疲弊した、金もないと表現する人がいるけれど、昨今のアメリカの動向を決めているのは、そんなことではないと思われる。それは、世界先進国のアメリカ離れが決定的な要因になっているのではないだろうか。アメリカのイラク、アフガン撤退で、世界中がアメリカは世界最強の国ではないことに気付いてしまったということである。最強というのは、常に戦略的に思惑を達成し、それを遂行するための物理力があり、世界の金融まで支配しているという意味になるけれど、度重なる戦略失敗に、アメリカはもはや世界のキングとしての器はないと、世界が思い始めたということである。同時に、ブッシュの唱えた「世界の悪を駆逐するための戦争」という言葉の信憑性が極めて疑わしいことも、世界のアメリカ離れを加速させたのではないだろうか。
 それを思わせる決定的な出来事が、アジアインフラ投資銀行(AIIB)でアメリカが不参加表明をしたにも関わらず、欧州各国が参加を決めたことであった。アメリカはこの件について、水面下で世界主要国と調整をしていたと思われるが、結果的にヨーロッパ各国が参加表明をした。このことは、世界におけるアメリカの影響力が衰えたことの証左であり、そのことはアメリカ自身が痛感していることと思われる。
 よってアメリカは、対中国戦略を中心とする世界との関わり方について、独自路線を弱め他国との強調路線に重きを置く方法に転換した。この方が行動の支持を得やすい上に、負担も軽く、そしてアメリカの存在感を示しやすいからである。
 さらにアメリカは、オバマと国防省との関係がうまくいっていないという国内問題も抱えている。アメリカの軍事戦略において、このことは致命的だ。イラク、アフガン撤退は、オバマが国防省の猛反対を押し切って断行したと伝えられているけれど、これは核廃絶や世界平和を大々的に唱えたオバマが、自身のメンツを保つために強行したことである。このような事情を知れば、アメリカの最近の行動が、『世界の警察官として疲れたから』ではないことが分かってくる。(続く)



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