フィリピーナと共に
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2009年07月04日

リン93 フィリピーナの気質

僕とモナは、彼女と横浜駅で偶然出会ってから平穏な関係を続けていた。
時には彼女のコンタクトが煩わしく、仕事に集中したい時には連絡を絶ち、彼女を怒らせたり泣かせることもあったが結局彼女はそんな僕を許してくれた。
許してはくれるものの、彼女の日記を読むとそこには彼女の激しい怒りや深い悲しみが綴られている。

僕のことを見たこともないようなひどい恋人で、もうこんな関係は止めたほうがいいとまで書いてある。
しかし僕が彼女の機嫌を取った日には、とても嬉しくハッピーだったと書いてあり、彼女の日記には不幸と幸福の日々が見事に交互に登場している。
なぜにそれほど切り替えが早いのか、それとも自分の想像を上回るほど単純な人種なのか、とにかくどんなにシリアスな内容が切実に書かれていても、次の日の日記を読むとその切り替えの見事さに思わず笑ってしまうのである。

ただしそんな内容をみると、彼女の優しさの上に胡坐をかいていた僕であったが、案外綱渡りのような関係を続けていたかもしれないことに気づかされた。
そして僕はその日記の内容に、決して普段の彼女から知ることのない彼女の持つ気性の激しさのようなものも感じ取っていた。

たしかに自分は彼女にとって以前から良い恋人ではなく、モナの親友であるヘイセルは、いつもそのことで彼女のことを心配していたようだ。
ヘイセルはモナに、なぜそれほどまでに一生懸命なのか、もうやめたほうが良いとよく忠告していたらしいが、そんなヘイセルも一人のフィリピン人男性に長年想いを寄せながら泣き続けていた経緯があり、それだったらあなたも止めなさいとモナに言われるらしい。
そんな話をしながら、結局どうにもならないお互いの心の中を再認識し、その話は二人の間で宙に浮いてしまうらしかった。


モナは横浜にいる間に、二人の子供が欲しいと話していた。
後に読んだ彼女の日記には、僕に子供をプレゼントしたいこと書かれてあった。
彼は子供ができたらきっと喜ぶだろうし、その子供が二人の関係をより密接なものにするだろうと書かれている。
僕は彼女からその話を聞いたときに、どこまで本気で話しているのだろうかと考えてはいたが、二人はいつも避妊をしていなかった。
僕はもし子供ができたら、それが自分を後押しするきっかけになると考えていたので、そうなっても構わないと本気で思っていた。
胸のうちでは、もし子供ができたら何があっても結婚しようと決めていた。

その頃の僕は、モナに対して自分が踏ん切りをつけるきっかけが何か欲しかった。
それは僕自身が、モナに対する愛が深まっているのかどうか疑心暗鬼だったからだ。
時間が経過してから彼女に対して冷めた気持ちになると困るという、変な心配をしていた。
僕は人を愛することができなくなってしまったのかとも思っていた。

リンと出会う前の恋人を裏切り、リンに対する情熱を失い、そしてモナと一緒にいることに安心感を覚えながらも、ついつい仕事を優先させる自分がそこにいる。
後に完全に冷めてしまった自分がまたモナを傷つけてしまうことがあったら、今度こそ取り返しがつかないことになってしまうという恐れがあった。
だから何かきっかけや変化を欲していた。
それが子供でも良いと本気で考えていた。

しかし彼女はいざ生理が遅れると、そのとたんに自身が望んでいたにも関わらず妊娠かもしれないと心配し出すのである。
一度は2週間も生理が遅れたことがあった。
その時には彼女は完全に自分の妊娠を信じきっていた。

それはちょうど、横浜球場から馬車道方面へ二人でぶらぶらと歩いている時であった。
休日のランチを例のイタリアンレストランで取り、食後の散歩がてらに車通りの少ない道を選んでのんびりと歩いていた。
道の途中には小さなフレンチレストランや美味しそうな海鮮料理中心の和食レストランがあり、その時僕の関心はもっぱらその料理の内容と値段にあった。
見知らぬ街を歩きながら周囲を観察するのが大好きだった僕は、どこに行っても歩きながら必ず何かをチェックしている。
観察対象はレストランだけではなく、ホテルの雰囲気や美容室やパーキングの値段、時にはパチンコ屋の客の入り具合や八百屋の品揃えなど何でもありだった。

「マハール、きっとベイビーいるよ。あ〜ん、どうする?ママに怒られるよ。まだ結婚してないのに妊娠したら、あなたは前と同じで勉強ないなぁって言われるよ。マハルはアコの妊娠がほんとだったら逃げる?それともアコと結婚する?」
「いまさらなんでそんなこと心配するの?子供が欲しいって言ったのはあなたでしょ!することをやってたら子供だってできるよ。」

彼女は妊娠を前提に、もうお酒は飲めないなとか、これからしなければならない結婚の手続き、そして二人の将来設計にまで話がどんどんとエスカレートしていく。

「まだわからないでしょ?ちゃんと分かってから考えようよ。」
「アコはあなた逃げないか、それ心配よ」
「絶対に逃げないよ。そんなことより、僕が心配しているのはあなたの心臓のことだよ。」

彼女は心臓が悪く、一人目の子供を産んだ時にも分娩中に心停止に陥り死の淵から蘇った過去がある。
その時に、今後5年は妊娠出産はできないと医者に言われていた。
モナは最初の子供を出産してから5年を経過しているので大丈夫だと言うが、僕にはその5年という期間の根拠もはっきり分からなかったので、それを簡単に信じる分けにはいかなかった。
彼女は心臓疾患で日本でも病院に通っていた。
日本の病院でもらう薬はよく効くらしく、かつてのように心臓が痛いということはなくなっていたが、それでも詳細を知らない僕にとって彼女の心臓疾患は心配の種だった。

しかし彼女は、病気のことで僕が話を逸らしていると受け止めているらしく、確信に触れようとしない僕に対してますます心配になっているようだった。
彼女は前の恋人に逃げられたことがトラウマになっていると明言していたから、再びその恐怖が蘇っていたに違いない。

フィリピンはシングルマザーが多く、その点に関しては周囲が大らかな目で見るのかと思っていたが、実は反対で、結婚前の女性が妊娠することははしたないという考え方をするようだ。
だからモナが以前未婚で妊娠・出産をした時は、彼女の母親がノイローゼになるほど悩み親戚や近所の周囲の人間に気を使っていたらしい。

そんなことがあっという間に噂として広まり、みんなから白い目で見られるほど小さな町である。
そのプレッシャーが彼女を襲っているので、モナは必要以上に妊娠に神経質になっている。

その姿と、子供が欲しい、避妊はしたくないという彼女の言動には明らかな矛盾があり、僕は最後までそれを理解することはできなかったが、それがフィリピーナなのかと思うことにしていた。

それから数日後、彼女の想像妊娠によるどたばた一人劇はあえなく幕を閉じた。

「マハール、赤いの来たよ。ざんねんだなぁ。寂しいなぁ。」

その言葉を言う彼女の声は、嬉しそうにも寂しそうにも聞こえ、ここで僕はまたまたフィリピーナの思考に疑問を抱くのである。

「ほらやっぱり!だからわからないって言ったでしょ。あなた妊娠だって騒ぐの何回目だっけ?すぐ妊娠しちゃうんだから。」
「へへへ、マハル、ごめん。でもほんとに残念よ。あなたにベイビープレゼントしたかった。また神様にお願いする。」

僕は素朴な疑問を彼女にぶつけた。
「あなたは子供ができると嬉しいの?それとも困るの?どっち?僕は本当にわからなくなっているよ。」
「アコはあなたにベイビーをプレゼントしたいだけ・・あなた欲しいでしょ?」
「でも産まれたからハイあげるって言われても困るよ。僕が一人で育てるのは無理があるからね。それわかってる?」
「オオ、それ当たり前。それは二人のベイビーなんだから、二人で育てるでしょ。」

どこまで分かっているのかよくわからず、少し混乱している自分の頭もまるで整理されずにそんな話を終えるのである。

このような理解不能なフィリピーナの言動は、時には僕を困らせ悩ませるのだが、しかしそれが飽きを感じさせない刺激になっていたように思われる。
自分の想定を超える出来事で混乱していることを、実は楽しんでいたように思えるのだ。


だから今、フィリピーナにかき乱されて困ったと相談してくる人たちの気持ちが分かりすぎるくらいに分かってしまう。
「実は困っていないでしょう。結構楽しいでしょう。」
と言うと、「いやいや、困ってるけど・・・そうねぇ、楽しいなぁ・・」
という答えが返ってくる。
ほとんどの人が、自分の心の奥に潜んでいるそれに気付いていながら困った困ったと話している。

最後は「話だけだったら無制限に付き合えるけど、お金は無制限じゃないからねぇ。」という確信に話が及ぶ。
本当に葛藤があるのは、気持ちは十分すぎるほどついていけるが、金銭的に苦しいというところなのである。
それは正直に相手と話をしてみないとわからないところだ。

お金がないということが知れて相手が引いてしまうようだと、最初から望みはなかったということで諦めるしかない。
お金だけではないがお金も必要だということであれば、それは上手に折り合いをつけるしかないが、無理をすると結局もっと不幸なことになってしまう。
そのあたりのさじ加減がとても難しい。

その様に日々悩んでいる人たちはモナと話をしたがる。
フィリピーナで路頭に迷いそうな人たちが、フィリピーナの気持ちを知りたいからとスカイプで彼女と話をしたがるのだ。
彼らはモナのことをスカイプだけであるが良く知っている。
僕の周囲にいるフィリピンフリークの間で、彼女は結構信頼が厚いのだ。

状況と自分のお相手の対応を説明すると、モナから率直な印象なり感想が帰ってくる。
大体は「それおかしいなぁ。愛があったらそれしないよ。」といった否定的な言葉がパソコン画面に映っている彼女の口から飛び出す。

面白いのはそれからで、相談する人たちは否定的な事を言われると、自分の安心できる材料を引き出せるまでパソコンから離れようとしない。
彼女の口からそれを無理やり引き出そうとしているように見受けられる。
若干安心できるニュアンスの話がでると、ようやく有難うと納得するのであった。

そんな相談では実際の役に立つとは思えないのだが、それでも僕は彼らの気持ちが痛いほどわかった。
それに対してモナは、相談者のいないところで「なんで止めないかな、それ絶対に騙されてるよ」と言う。

自分だって水商売で似たようなことをしてきたかもしれないのに、そんなことは臆面もなく本気でそう言う。
そのギャップがまた、妙に面白いと思ったりするのだった。
フィリピーナとは奇怪な人種なのである。

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エントリー:リン93 フィリピーナの気質
2009年07月02日

リン92 パソコン購入

僕とモナは頻繁に会っていたわけではなかったが、会える時には僕ができるだけまとめて時間を作り、横浜のホテルを予約して駆けつけた。
それは東京での仕事帰りだったり、自分の部屋から彼女の元へ駆けつけるのだが、いつしかその道中の電車の中で、これから彼女に会える喜びを感じるようになっていた。
久しくそのようなトキメキ感を忘れていた僕は、それだけでも生活が充実してきたような感覚に喜びを覚えるようになっていた。

何よりも彼女と一緒のひと時は、僕の疲労しきっていた心を少しずつ癒してくれた。
彼女が僕のことを心から愛してくれることに安心し、彼女には何も気を使わず素のままで接することができたし、言いたいこともストレートに彼女にぶつけていた。
何かで意見の相違がある時には、彼女は僕の話した内容を受け入れ、そして自分の主張を僕に上手に伝えるだけの器量も持っていた。
初めて二人が出会った頃に比べると、やはり彼女は考え方がずいぶんと大人になったと関心することが多かった。

横浜での逢瀬は、いつしか横浜でハイクラスと呼ばれるホテルがほとんどになっていた。
それがお互い仕事で抱えたストレスをいやす場になっていた。
二人にとって一番くつろげたのはやはりパンパシフィックだった。
パンパシフィックはJALのマイレージポイントで宿泊することも可能で、それもずいぶんと助かった。(注:マイレージでも支払いは、ホテルのサイトから直接予約した時のみ可能)

もちろんどのホテルでも高級な部屋を予約すればそれなりに素晴らしいホテルライフになっただろうが、宿泊予約はいつもホテル予約サイトのディスカウント料金に限って行い、しかも上限は一泊3万円と決めていたので、その範囲内での話である。

ランドマーク内にあるロイヤルパークホテルから見た横浜の夜景や、ニューグランドなどの老舗ホテルの落ち着き感など、そのほとんどはそれなりにエキサイティングでかつ居心地が良かった。
しかしやはりバケーションのような形で二人で初めて泊まったパンパシフィックが一番思い出深く、そして心のこもったサービスにいつも関心させらたそこが、ふたりの一番くつろげる場所になっていったのである。

パンパシフィックに滞在中のある日、珍しく彼女からお願いがあった。
「マハール、お願いがあるんだけど・・」
「何?」
「アコ、パソコン欲しい・・」
「え〜、どうしたの?とつぜん」
「パソコンあったら、いつでもマハルとTV電話で話できるでしょ!アコ、フィリピン帰っても、それできるでしょ!だからパソコン買いたい。」
「それ、僕が払うの?」
「アコ10万円払う。あとはマハルのプレゼント。それはだめですか?」
彼女から物を買って欲しいとお願いされたのは初めてのことだった。
しかも自分で10万は出すという。
僕はそれを聞いて、もし本当に払う気があるのなら全額出してあげてもいいかと思った。

とりあえず買うことに問題はなかったが、OSは英語版がよいというリクエストに悩んだ。
Windowsのプリインストール版は全て日本語だし、Windowsの英語版を後からわざわざ入れるのもしゃくであり、秋葉原まで行くのも面倒だった。
結局迷ったあげくMACにしようかと思いついた。
MACであれば何語でも一つのOSで対応していると聞いたことがあった。
彼女はパソコンの見た目にもこだわっていて、できればSONYのバイオあたりが欲しかったようであるが、僕はそれまで使ったことのないMACを、ほとんど人から聞いた言葉を使いそれを薦め、とにかく一回一緒に見てみようということにした。

早速そこから電車に乗り、横浜駅近くの家電量販店に二人でパソコンを見に行った。
念のために店に聞いてみるが、英語版のWindowsが入ったパソコンはないし、英語版ディスクも在庫では無しとのことだった。
よって二人で展示されていた白いMacBookをいろいろといじってみた。
驚いたのはその動作スピードである。
大したCPUも積んでいないのに、なぜこんなに早いのかに驚いた。
僕はその時VISTAを使用しており、その重さにほとほと嫌気がさしていたので、MACの快適さには度肝を抜かれた。
僕がこれは素晴らしいと言う前に、彼女は真っ白なデザインが気に入り、かつ電源を入れたときにりんごのマークがブルーに光るのを綺麗だと言いながら、彼女もすでにMACブックの購入を決めていた。

後は使い勝手の問題である。
最初はインターネットエクスプローラーに相当するものがサファリであることすら知らない二人であったから、店頭でいろいろと悩んだ。
しかし店頭で少し使ってみただけでも、MACはやはりよくできたパソコンだと関心させられるほどで、早速それを購入することに決めた。

パソコンがあってもインターネットが使用できないのでは宝の持ち腐れなので、イーモバイルの端末も一緒に契約・購入した。
これで持ち帰ったら即インターネットも使用できる。
ついでにエクセルやワード、パワーポイントのようなプレゼン用ソフトまで入ったアプリケーションセットが1万ほどで購入できると聞き、それも併せて購入した。
そしてインターネットビデオ電話用のヘッドセットとパソコンケースも買った。
結局全部で18万ほどになったと記憶している。
痛い出費だったが、彼女が事の他喜んでいたので、とりあえずよしとした。

二人はそれをホテルに持ち帰り、早速梱包を解いて彼女がいじり出した。
僕は歩き疲れたいたので、ソファーでゆっくりと本を読んでいたが、パソコンをいじくりまわしているモナから「マハール、ちょっと来て!」と頻繁に声がかかる。

「あ〜!またぁ〜、ちょっとゆっくり本を読ませて欲しいんだけどなぁ」と文句を言いながら、パソコンを置いてあるテーブルのところへ行く。
「ねぇ、これ英語にするのはどうするの?」
「僕もMACは全然知らないよ、どれどれ・・あ〜、こんなところに設定画面があるよ。ホイ!これで英語になったでしょ。よし、後は自分でできるよね。」

また本を読んでいるところへ声がかかる。
「ねえ、インターネットのコネクションはどうするなの?」
「はあ?EMのディスクをパソコンに入れたら、何とかなるんじゃないの?」
「マハール、これ入れて見たけど、イエスでいいの?」
「たぶん・・・いいよ、そんなのは大体イエスでOKだよ。どんどんやってみたら?」
「そう?わかった」

ほとんど彼女に任せていたが、しばらくしてとうとうインターネットが繋がった。
「マハール、インターネット繋がった!ねえ、ヤフーが見えるよ。すごいなぁこれ。」
「あ、そう?よかったね。あとは好きなものをダウンロードしてみたらぁ。」
これで少しはおとなしくパソコンと睨めっこをしてくれるかと思っていたら、その後からまだまだ注文が続出する。
スカイプやヤフーメッセンジャーの英語版インストールはこれでいいのか、パソコンのカメラはどうやって使う?
そして一番厄介な、僕のパソコンに入っているi-tuneの1700曲全てのコピーもお願いされた。

ようやくひと段落ついたと思ったら、僕のパソコンとチャットをしてみたいと言い出した。
僕はパソコンを貸して上げるから、一人チャットで試してみればと自分のパソコンを彼女に預けてしまった。
彼女は僕のパソコンをホテルのインターネット回線へと接続し、自分のパソコンはイーモバイルでインターネットへ接続し、双方の通信テストをはじめた。
スカイプでTV電話ができたことに彼女は至極感激していた。


最初はMACの使い方がよくわからないと話していたモナだったが、放って置いたら彼女の方が色々とわかるようになってしまった。
僕も少しいじってみたが、慣れるとMACユーザーがそれを褒め称えるのがよくわかるほど、よくできたパソコンであることがわかってきた。

そのうちパソコンでビデオを録画できるといいながら、二人の思い出ビデオを撮るといい、録画モードにしながら僕に絡んでくる。
今でもそのビデオが残っているが、僕が嫌がっているところへモナがしつこく二人で仲良くしている画像を納めようとし、僕が最後まで無視していると、プリプリモードで「ふん!」と言いながらパソコンの録画をストップしている。
後々この映像を見ると、彼女のキャラクターが良く出ていてなかなか面白いビデオに仕上がっていた。

この時のやり取りで、僕はさまざまなサイトの自分のIDとパスワードを彼女に覚えられてしまっていた。
彼女はちょっとした電話番号やそのようなものを、後で役立つかもしれないと覚えていることがある。
それがもとで、彼女がフィリピンへ帰ってからとんでもないことになるのだったが、その時僕はまったく無用心に、彼女の目の前でパスワードをパソコンに打ち込んでいた。

この日彼女は、インターネットが繋がったパソコンをベッドの上に持ち込んで、僕が寝たあともネットサーフィンやらダウンロードやらに御執心だったようだ。
翌日眠そうな顔をしながらも、彼女は朝からインターネットの話に花を咲かせていた。


それからは僕が仕事をしている時でも彼女からチャットメッセージが入ったり、時間がある時にはスカイプでTV電話で話をしたりするようになるのである。

二人のコミュニケーションはこのパソコン購入でかなり充実するようになった。
特にTV電話で話しができることは良かった。
僕が忙しい時に、彼女がTV電話で納得するようになったからだった。
しかも彼女がフィリピンへ帰ってから、スカイプは大いに活躍することになる。

この時に彼女にパソコンを買ってあげなければ、色々な意味で今の二人はなかったかもしれない。
そう・・・色々な意味で・・。

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エントリー:リン92 パソコン購入
2009年07月01日

リン91 パンパシフィック

モナとちょうど昼の12時に、いつもの馬車道のコーヒーショップで待ち合わせをした。
彼女には今日のホテルはいつもと違うところにしたから、泊まる準備をしてくるように伝えていた。

少し早めに到着した僕は、店外テーブルで本を読みながら彼女を待っている。
彼女はフィリピーナには珍しくいつも時間に正確で、ちょうど12時にそこへ現れた。
彼女のドリンクを注文し、まずは喉の渇きを癒してもらうのがいつものパターンであった。

「マハール、なんで今日ホテル違うなの?」
「いつものところがフルブッキングだった。JALホテルもいっぱいだったし、初めて泊まるところを予約したよ。変なところかもしれないけど、文句は言わないでね。」
「遠いの?」
「少しだけね。今日はタクシーは使わないで電車で行くよ。」
「アコ近くがいいんだけどなぁ」
「しょうがないよ。でも近くに買い物ができるところがいっぱいあるから、そこでウィンドーショッピングしよ!ウィンドーね」
「なんでウィンドー2回も言う!わかってるよ、あなたウィンドー好きなの。アコもそれは問題ないけど・・。そのホテルはお化けがでない?それは問題だからね。」
「さあ、初めて行くホテルだからわからないよ」

フィリピーナはお化けの存在を本気で気にする。
フィリピンには有名なホワイトレディーという、日本風お岩さんのような定番お化けが存在する。
モナはフィリピンにいる時も、いくらハイクラスなホテルでさえお化けが出ると噂のある場所は絶対に泊まろうとしなかった。

もちろんパンパシフィックホテルは、お化けが出るような雰囲気からはかけ離れた近代ビルである。
そのホテルには、みなとみらい線という地下鉄で馬車道駅からみなとみらい駅まで行けば、あとは徒歩1分とアクセス案内に書いてあった。
僕はそのエリアに初めて行くわけではなかったが、みなとみらい線を利用して行くのは初体験だった。
だからみなとみらい駅を出てからどの方向に行けばよいのかは全くイメージできていなかった。

案の定、地下鉄を降り地上へでたら、さっぱり行くべき方向がわからなくなっていた。
とりあえず駅の地図で、自分たちの居場所とホテルの位置を確認した。
モナには駅からすぐだと説明していたのに、5分は歩いたかもしれない。
周囲には目立つ建物がたくさんあるはずだから、きっと簡単に行けると高をくくっていたが、不思議と目印が見えず当初の予想を裏切られた。
しかし地図で確認をした方向が間違っているはずがなかった。
「マハール、遠いよ。アコつかれた〜。」
「ホテルについたらいっぱい休みなさい。もうすぐのはずだから・・」

目の前にパシフィコ横浜という、大きな建物が見えてきたから方向は間違ってはいない。
この近辺にあるはずなのになぁと辺りを見回していたら、すぐ目の前にホテルの建物があった。
どうも裏から回ってしまったようだった。
派手な入り口を想像していたので、1階のタクシー乗降口にたどり着いた僕は、そこがホテルだとすぐに気が付かなかった。
「お〜、あったよ。ここ、ここ!」
「ここホテルなの?」
「たぶん・・・ここ・・」

確かに彼女が言うように、そこがホテルの入り口なのか自信がなくなるほど、寂しい場所だった。
何かの会社ビルの入り口のようにも見えるからだった。
しかしホテルのドアマンが中から出てきたので、やはり間違いないと確信した。

モナは地下鉄に歩きが続きすでにへばっている。
なぜそれほどまでに体力がないのか不思議なくらいだった。
2階のフロントがあるロビーに上がると、グッと装飾の高級感が増した。
そのフロント前はチェックインの人たちが長蛇の列を作っていた。

事前に調べた情報だと、パシフィックフロア宿泊者のチェックインは、25階の専用デスクでできることになっている。
僕は込み入っているフロント前を素通りし、エレベータに乗り込んだ。
「マハール、チェックインしないの?」
「大丈夫、僕とモナさんはVIPだからこのまま上に上がれば問題ない」
僕は少しふざけた口調で、かつ自慢げに彼女に話した。

ところがエレベータは22階までしか昇れない。
25階のボタンはあるが、押してもランプがつかないのだ。
じぃ〜っと見ると、なんとパシフィックフロアと呼ばれる特別階の23階から上には、ルームキーがないと行けないようになっている。

とりあえず22階で降りて、フロアのある電話で事情を説明した。
モナは何が起こっているのか全く理解できず
「マハール、今日泊まれないの?なにか問題ある?」
と不安げに聞いてくる。
「オオ、これはシリアスプロブレム(深刻な問題)だ。とりあえず何とか頼んでみるけど、今日ここに泊まれるかはわからなくなってしまった」
と彼女をますます混乱させるようなことをわざと言って、僕は心の中で舌を出していた。

すぐに2階のフロントスタッフが22階まで来てくれ、そして自分の持っているキーをエレベータに差し込んで、二人を25階フロアーまで連れていってくれた。
モナはさっぱり事情がわからずに、まるで親鴨のあとをついてくる子鴨ように僕のあとに従うだけである。
25階の専用ラウンジのテーブルに案内された時には、苦労しながらもようやく山頂にたどり着いたので、後は下山(帰る)するだけだといった気分だった。

窓からは横浜コスモワールドの大観覧車がすぐそこに見える。
そこから海が続いており、随分と離れている大山までの綺麗な景色が広がっていた。
ドリンクが届き、その時に自分の名前を告げた。
ラウンジのテーブルに出されたドリンクをゆったりと飲みながらチェックインが進行していく様子に、ようやくモナがいつもと違う雰囲気を感じ取った。

「マハルはほんとにここのVIPなの?」
「たぶん、だってVIPって書いてあったもん」
「なにに?」
「予約したときのパソコン画面に・・僕の名前ですぐに分かったみたいだよ」
「なにが?」
「僕がこのホテルの社長の友達だって・・」
「マハ〜ル!すごいなそれ。なんですぐにここ泊まらない!」
「ごめん、ずっと忘れてた」

完全に信じきっている彼女に、そろそろ笑いをこらえるのが難しくなってきた。
本当はVIPなどと表示はされない。
僕はしばらくモナに、サプライズ気分を味合わせるつもりでいた。

僕がこのホテルに最初に関心したのは、宿泊料金確認をする際に、それを書いた小さなメモを僕の脇にもってきて、モナには見えないようにさりげなく差し出しながら、これでお間違いはございませんかと聞いてきた時だった。
ウエルカムドリンクなどのサービスは形だけでよくある話だが、従業員の教育が行き届いているかどうかは、そんな細かいところにどれほど神経を使えるかでわかる。
モナに宿泊料金を内緒にしたいわけではなかったが、無神経なホテルは二人の前にレシートを広げそれを確認をする。

このホテルのパシフィックフロアには、フロア専用バトラー(執事)がいて、宿泊中の面倒を細かく見てくれることになっていた。
そのバトラーがモナの持っているバッグを預かり、二人を部屋へと案内してくれた。

僕はコスモワールドが見えるサイドの部屋を予約していた。
43平米の部屋はまあまの広さがある。
何よりも綺麗なことと、調度品に高級感と落ち着きがあった。
室内にある椅子は座り心地が良く、厳選されたものであることを感じさせた。
当然そのクラスになると、シャワールームは別に用意されている。
バトラーの説明も丁寧で、最初から最後まで二人をVIP扱いしてくれた。
バスで使用するアメニティーは、海外ブランド品と国産のどちらか一方を選ぶことができる。
モナは海外ブランドのシャンプーやリンス、石鹸を選んだ。

モナは完全に僕がVIPだと信じきっていたので、バトラーが出て行った後に、特別フロアーに宿泊する客は、全て同様のサービスを受けることができると種明かしをした。
それでもモナは、そのホテルに既に満足していた。
そして僕が初めて彼女を恋人らしく扱ってくれたことを、本当に喜んでくれた。

モナは毎日の出来事を細かく日記に書いている。
彼女がフィリピンに帰るとき、自分がいなくなってから読んでくれと、その日記を僕に置いていった。
この日の日記には、
「この日はわたしにとって素晴らしい日だった」から始まっている。(中略)
「マハルがいつもと違うホテルに泊まると言ったときに、彼は何かサプライズをたくらんでいることがすぐに分かった。なぜなら彼はグッドアクター(良い役者)ではないからだ・・・
そして彼は私をからかって遊んでいるのがすぐにわかった。
そのホテルに着いた時には、普通のビジネスホテルかと思った。しかしそこが、とても素晴らしいところだとすぐに気づいて驚いた。なぜ彼が突然私のためにそんなことをし始めたのかわからなかった。彼は今とても優しい人になっている。そして私をまるで恋人のように扱っている。今までは友達?愛人?どんな関係かよく分からない態度だった。でも今日は違う・・(後略)」

どうやら最初から、何かを企んでいたことがばればれであったらしい。
彼女がどこでどうとぼけていたのかよく分からなかったが、それでも彼女が心から喜んでくれたことが、そこには克明に記されていた。

この日記には、彼女の嬉しいことばかりが書かれているわけではない。
僕の冷たい態度に彼女が涙したこともたくさん書かれているが、その紹介はまた別の機会にしたいと思っている。

彼女はいつの間にか、先ほどまで自分が疲労していたことなどすっかり忘れるくらい、そのホテルの豪華さに興奮していた。

そして時間があるうちにと、少し休んでからホテルとつながっているクイーンズスクェアというショッピングモールにでかけた。

そこにはティファニーやコーチといったブランド店を筆頭に、数々の専門店や飲食店が100店舗は軒を連らねている。
ウィンドーショッピングには最適の場所であったが、さすがにそれだけでは可愛そうなので、彼女に服とサンダルを買った。
おそらく僕が彼女にプレゼントした初めてのものである。
それほど大したものではなかったが、彼女はそれを大事そうに抱えて歩いていた。

その後でステーキハウスで食事をし、更には人だかりの中で大道芸人が繰り広げるショーを二人で見た。
初めてそれを見た彼女ははしゃぎながら喜んでいた。
街頭に照らされた彼女の笑顔は、幸せが溢れているようだった。

海の近くをぶらぶらと散歩し部屋へ戻ったが、久しぶりに二人でデートらしいことをしたと思った。
モナとデートらしいデートと言えば、最初の八景島シーパラダイスとフィリピンのマニラズー(動物園)に行ったくらいで、その日が3回目であった。
それしかなかったかと自分のことながら驚き、やはり自分はひどい恋人だと再度自覚した。

それでも一心不乱で僕に付いてきてくれる彼女は、中々巡り合うことのできない最良のパートナーかもしれないと思っていた。
そしてたった一泊のホテルライフを、僕自身も満喫していた。
それまで負った数々の傷が、次第に癒されていくのを感じた。
それが快適なホテルとモナの存在の相乗効果であることを、十分感じ取っていた。

二人はその後何度かこのホテルに宿泊するのであるが、いつ訪れても同じように癒され、至極とも言える幸福感を味わうことになる。
この時僕の心に染み込んだ彼女への想いが、その先の僕にとって重要な意味を持つことになるのだった。

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エントリー:リン91 パンパシフィック

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