フィリピーナと共に
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2009年05月26日

リン61 別れのシミュレーション

リンとは相変わらずだった。
電話連絡は比較的まめに行っていたが、こちらから電話してもつながらないことが多くなっていた。
電話がつながらない時の彼女からのコールバックも翌日というケースが増えた。

しかし僕は以前のように、それに対してあまり文句を言わなくなっていた。
電話がつながっても、どのみちあまり話題がなかったからだ。
翌日彼女が元気でいることを確認できれば、特に問題はなかった。

時には数日間電話しない時もあった。
リンが、何日目で電話をしてくるのだろうかと試してみた。
大体は3日〜4日も間をあけると、リンの方から電話をしてきた。

最初は彼女に、新しい男でもできたのかと疑った。
しかし仮に彼女に新しい男がいて、その男が彼女のことを幸せにしてくれるならそれでもいいと考えるようになっていた。
それは心の底から純粋に思っていることで、その想いに意地悪な気持ちやハニーとの問題を含めた不純な考えはなかった。
しいてあげれば、彼女への送金の負担から解放されたいという気持ちが少しあったかもしれない。

しかし彼女の電話での話ぶりや、出張で彼女とセブで会った時など、不思議なくらい彼女からは別の男の気配を感じなかった。
勿論それを彼女に聞いても、そうだと答えるはずもなく、逆になぜそんなことを聞くのかとリンの逆鱗に触れるだけだった。

一時は彼女との結婚を真剣に考えていたのに、それも具体的には考えられなくなっていた。
僕は完全に自分の進むべき道を見失っていた。
そして前にも後ろにも進めない状況に疲れを感じていた。

以前はあんなに幸福感を感じ、フィリピンと日本を行き来しながら充実感を味わっていたのに、なぜこんな風になってしまったのだろうか。

おそらく僕が、若くて綺麗な恋人を持って舞い上がっていたのだと思った。
そして相手が外国人で、かつコミュニケーションが英語だという異質な世界が珍しかったのかもしれなかった。
確かにそれだけで十分刺激的だった。

舞い上がって自分を見失って、知らず知らず彼女にたくさん期待をしすぎたのかもしれなかった。
独りよがりな期待を抱き、それと現実とのギャップに過敏に反応し、考えすぎて疲れてしまう。
思い返せばそんな繰り返しが多かった。
僕の中で彼女との間になんとなく溝を感じているのは、実は自分が悪いような気もしてきた。

彼女への愛が全て無くなったわけではなかった。
リンとの間には掛け替えのない思い出がたくさんある。
彼女は僕にとって特別な人であることに間違いはなかったし、それはおそらく一生変わらないように思えた。

しかしリンと一緒に暮らした時に、お互いが幸せを感じるだろうかと不安だった。
僕は時々、リンと結婚をして日本で彼女と一緒に暮す光景を想像していた。

休日の午前は、家で一緒にコーヒーを飲みながらおしゃべりをしてゆっくりする。
お昼前にどこかでランチを取り、それから買い物に行く。
彼女はランチを美味しいといい、そのレストランを素敵な場所だと言う。
買い物をしている時の彼女はいきいきとして、洋服を買ったり、時にはアクセサリーを買いながら喜んでいる。
夕食は雰囲気のいいレストランでワインで乾杯をする。

僕の想像の中でリンが幸せを感じている光景は、いつもそれだった。
そんな生活を続けられたら幸せに決まっている。
しかしもっと現実的な生活をイメージしようとすると、その中のリンの顔は幸せそうではなかった。
普通の日常生活で、二人が幸せに暮らす光景を想像できなかった。
僕が彼女の幸せを維持するためには、僕は彼女へ常に物質的な何かを与えていないといけないのだった。

それはなぜかだろうかと考えると、自分がしてきた愚かな行為に行きついた。
僕がリンにしてきたことは、いつも彼女にお金や物を与えることだった。
それをすることでリンを幸せにしてあげていると思いこんでいたし、実際に彼女は喜んでいた。
だからリンが幸福感を感じているイメージの中でも、僕は常に彼女に物を与え続けなければならなかったのだ。
そして彼女の愛が見えなくなった。

もし誰かに彼女が僕を必要としているかと問われれば、それは堂々とイエスと言えた。
しかし彼女が僕を愛しているかと問われると自信を持ってイエスと言えなかった。

本当の愛がなければ、彼女にとって平凡な二人の暮らしが、期待はずれな退屈なものでしかなくなるだろうという危惧を抱いてしまうのは、当然の結果なのかもしれない。
そして結婚をしてしまえば、名実ともに彼女の家族に対する支援の義務が生じる。
僕の周囲にいたフィリピーナ妻を持つ夫婦で、破綻をした原因の大半がその送金問題だった。
それはフィリピーナを妻にする場合、少なからずお金に関してある程度の計画や覚悟が必要だということを示唆していた。
愛もお金も足りなくなった時に二人がどうなるのかを想像すると、僕は気分は重くなり彼女と一緒に暮らすイメージは、その先に進まなくなってしまった。

しかも二人の生活の基盤となるべきお金も、かなり底が見えてきた。
どう考えても先行き不安な要素ばかりだった。
そろそろ二人の関係に、なんらかのけじめをつけなければならないと具体的に思い始めた。

言いだすきっかけをどうするか、どのように切り出してどのように話をするのか、いろいろとシミュレーションをした。
余計な事は言わずに別れようとストレートに伝えるべきか。
いや、はっきりと言わずにそれとなく伝えながら自然消滅を待ちながら様子をみるか。
いずれにしても電話ではなく、顔を合わせて時間をかけながら話した方がいいだろう。
別れた後の彼女の生活をどう考えたらよいだろうか。
最低限のサポートは続けながら彼女の自立を促すのが現実的だろうか。

僕は暇さえあれば、別れ話のシミュレーションを考えていた。
しかしいくら考えても、しっくりとした答えは見つからなかった。
別れた方がいいと思い、別れ話を何度もシミュレーションしているにも関わらず、別れるということに現実味が伴わなかった。
そして英語という言葉が厄介だった。
僕の微妙な気持ちを表現したいのに、それが難しかった。
伝えたいことを英訳すると、それはなぜか、愛している、愛していない、別れたい、別れたくないと、どちらかの一方の意味が強くなってしまう。
曖昧で微妙な表現は英語に向かなかったし、僕の英語の能力では限界があった。

最終的には、あまり考えずに自分の心境や具体的なお金の話しをありのままに話そうという結論に達した。
話しをしてみてどうなるかは、またその時に決めたらいい。
その話は電話ではできないだろうから、次のセブ出張時に直接話そうと決めた。

そして今一度自分の気持ちを確認するのは、その話はハニーのことを前提に考えていないということだった。
新しい女ができたからあなたと別れたいという話ではない・・・そうではないということを自分の中で何度も確認した。
もしそうであったら、彼女にとって理不尽極まりない話である。

事実ハニーとは縁を切っている。
この話はハニーが僕の前に現れなくても、同じ結論に至ったのだということを自分の中で確認した。

こうして僕はセブの出張機会を待っていた。

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カテゴリー:国際恋愛
エントリー:リン61 別れのシミュレーション
2009年05月25日

リン60 自殺未遂

メールの差出し携帯はハニーのものであったが、文章は、わたしはヘイセルだと名乗るところから始まっていた。

その内容は、ハニーが睡眠薬を大量に飲んで病院に運ばれ、今入院しているというものだった。
僕とハニーの間に何があったのか教えて欲しい、そうでないと彼女をケアすることができないという意味の文章が続いており、肝心の彼女の容態については詳しく書かれていなかった。

僕はそのメールを読んだ瞬間に自分の瞳孔が開くのを感じ、頭のてっぺんから足の先まで衝撃が走った。
気は動転していたが、とにかく彼女の容態が気になり、それを教えてくれるようにすぐ返信をした。
命に別状はないが、彼女は今ベッドの上で眠っているという返事が返ってきた。
それを読んだ後に、僕は事の経緯を正直に書き、それをヘイセルへ送った。
そのメールに、ハニーのことを頼むとも書き添えた。
ヘイセルからは詳しい話をありがとう、彼女にはずっとついているから心配しないでという返事が返ってきた。

命に別状はないということに安堵した。
彼女が以前僕に話した「僕と別れたら、もう生きていく意味がない」という言葉が蘇っていた。
しかし同時に、別れたら死ぬという言葉や実際にそれを実行に移す行為は僕に対する究極の脅迫であるとも思った。
彼女に全くそんなつもりはないことはわかっていたが、僕にとっては最終的にはそうなってしまうことだった。
もしその自殺行為をきっかけによりを戻したら、僕は今後それに脅えながら彼女に対峙していかねばならない。
それはよほど腹をくくらないとできないことだと思った。

それでもその時は本当に彼女のことが心配で、マニラへすぐに駆けつけたかった。
彼女の手をとって、もう心配するなと声をかけてあげられたどんなにいいだろうと思った。
しかし一時の感情に流されまた後悔することにでもなれば、結局ハニーを再び傷つけてしまう。

僕はハニーのことが気になったが、迷った末に直接彼女にコンタクトを取ることはやめ、ヘイセルの携帯へ様子をうかがうメールを入れた。
そのメールには、今後彼女との付き合いは継続できないから、彼女に中途半端なコンタクトを取るのはやめようと思うと書いた。
だから彼女の様子は、あなたに教えて欲しいとお願いした。
彼女はそのことに同意してくれ、時々様子を知らせることを承諾してくれた。

ヘイセルは僕から経緯を聞くまで、詳しい事情を知らなかったようだった。
マニラのヘイセルのアパートへ突然ハニーが現われ、僕から別れ話をされたことだけを聞いていたようだ。
彼女が仕事に出かけた後に、ハニーはヘイセルのアパートで睡眠薬を飲んだらしい。
ハニーより2歳年上のヘイセルは大人の考えを持っており、僕とハニーの事に関しては一切口出しをしてこなかった。
それは当事者同士の問題だから、他人の自分がとやかく口出しはできないということを踏まえているようだった。
彼女はただハニーの状況を連絡してくれ、僕はしばらく彼女の様子を見ていてくれとお願いするしかなかった。

その一週間後、元気を取り戻したハニーからは、メールが入ってきた。
彼女は、自分が病院で寝ている間にヘイセルが僕に連絡を取っていたことを知らなかった。
だから彼女は、僕が彼女の自殺未遂を知らないと思っていた。
そのことはあらかじめヘイセルと口裏を合わせていた。

メールの内容は、友達として時々お互いの状況を知らせるだけのメールをやり取りしたいが、それもだめですかという内容だった。
最初は心を鬼にして無視していたが、彼女はそれに対して文句を言うこともなく、「元気にしているか?」「会いたい」「まだ愛してる」といった内容のメールを不定期に送ってきた。

すぐに気が付いたのは、彼女が僕に対して使っていた「マハル」という恋人の呼ぶ時の呼称を使わなくなっていたことだった。
僕はそこからそれとなく、彼女が僕との恋人関係解消を受け入れたと察していた。

彼女のいじらしいメールは途切れることなく続き、それは永遠に続くかと思われた。
いつしか僕もそれに簡単な内容を返信するようになっていたが、あくまでも内容は日常の様子を報告するにとどまり、心配している、会いたい、あなたのことを考えていたなど、彼女に誤解や希望を与える言葉は一切使わなかった。

そのうち彼女は生活のために、以前働いたことのあるマニラの日本人向けクラブで再び働くようになった。
日本人向けのクラブは持ち帰りというシステムはないものの、水商売の性質上嫌なことがたくさんあり、そのストレスが彼女の体に負担をかけることが予想された。
その知らせを受けた時には僕は心の痛みを覚えたが、ハニーにはそれを悟られないようメールの返信も「そうですか、がんばって」と淡々と書いた。

彼女がマニラで働くようになったという事実は、僕の心にボディーブローのようにじわじわと打撃を与えた。
彼女を守ってあげたい気持ちがあるのに、それができない自分が悔しかった。
その気持ちだけでも伝えることができたなら、それが彼女の励みなることはわかっていたが、それさえもかなわない自分を呪った。
僕は、リンも同じ境遇に陥ったら同じことを想い、やはり助けてあげたいと思ってしまうことを知っていたからだった。
僕の心の中はいつも悶々としていて、いっそさっぱりと彼女の存在を忘れたいとさえ思った。
しかし忘れたいことを忘れようとして、それをパーフェクトにできる人間などいるはずもなかった。

彼女は昔から、なんでも正直に僕に話をしてきた。
マニラで働いている時にも、彼女は店の中であった嫌なことを赤裸々にメールに書いて伝えてきた。

特に衝撃的だったのは、次の内容だった。
「今日お店でおきゃくさんにパンチされた。そのお客さんアコのスカートの中に手を入れようとするから、アコ怒ったよ。ここはそんなお店じゃないって言ったら、生意気だって言って、アコの足にパンチした。アコ怖かったよ。アコの足色変わった。その後お店のスタッフが助けてくれた。アコ泣いてたよ。」

この時には、僕もなりふり構わず返信をした。
「パンチされたのは足だけ?顔とは体は大丈夫?そのお客さんは日本人なの?いつもくる客?その客はちゃんと出入り禁止になった?・・ごめん、いっぱい質問ばかりだね。あなたは今大丈夫ですか?どこか体はおかしくない?」

「アコは今大丈夫。パンチは太ももの上だけ・・色が変わっててまだ痛いよ。パンチしたのは初めて来た日本人のお客さん。グーの手を上から思い切りダウンさせてアコの足にパンチした。店のスタッフがそのお客を追い出して出入り禁止にしたから、もう来ないよ。大丈夫。あなたアコのこと心配してる?まだ愛あるかなぁ・・へへへ」

「なんで"へへへ”なんだよ。愛はないよ。ぜんぜんない!ちょっとびっくりして心配しただけでしょ。そっか、わかった。こんなことはよくあるの?危ないお客さん多い?」
愛などないと言い切りながら、ついつい心配していることが言葉となって僕の中から彼女へ向かって出てしまう。

「危ないお客さんはあまりいないよ。アコの体触ろうとするスケベなお客さんはいるけど。その時はお客さんの手をとって、マッサージするふりをしてキープするよ。そしたらお客さんアコに触れないでしょ。日本人は優しいお客さん多いから大丈夫だよ。心配ないです。でもありがとね、アコのこと心配してくれて。」


他にも体を売らないか、愛人契約を結ばないかといった類の話は日常茶飯事だった。
彼女は持ち前の賢さで、機転をきかせながら上手にそんな客をさばいているようだった。
その当時の彼女は、確かに色々な男が言いよってきてもおかしくないほどきれいだった。
彼女が送ってくれた携帯写真には、二人が出会ったころの子供っぽさが抜け、妖艶さを増した大人の女が写っていた。

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カテゴリー:国際恋愛
エントリー:リン60 自殺未遂
2009年05月24日

リン59 縁切り

その日は朝から穏やかな陽射しが降り注ぐ気持ちのいい休日だった。
全開にした窓から陽射しと共に入り込む風がレースのカーテンを揺らしていて、僕はイスとミニテーブルを窓辺に移し、窓を背にしてコーヒーを飲みながら本を読んでいた。
そこにハニーからの電話が入った。すぐにこちらから電話をかけ直すと、ちょっと相談があるという切り出しで彼女の話が始まった。

「マハル!ちょっと相談があるんだけど・・。ランド(土地)を買いたいの。」
買いたいという言葉を聞いた瞬間に、いやな予感がした。

「ランド?なんで?」
「すごいいい場所なの。今買わないと全部売れて無くなっちゃう。」
「それは家を買いたいってこと?」
「ランドだけ。家はまだできない。」

僕はその唐突な話をすぐに飲みこむことができなかった。
なぜ急に土地を買う話になったのか、なぜ買うのは土地だけなのか・・・それは投機なのかそれとも住むためのものなのか。そしていくらなのか・・・。

「それはいくらなの?」
「お金はすぐに全部払わない。毎月20万だけ。」
「20万だけってなに?そのだけって・・・それって小さいお金じゃないよね」
僕は自分の体の中で血流が急激に速まるのを感じながら言った。

「それを僕に払えっていう話?」
「だめ?」
「それはできないよ」
「10万でもいいよ。それでもだめですか?」

僕はなぜ無理をしてその土地を買わなければならないのかを問い詰めた。
彼女は、それは自分の夢だと言った。ファミリーのためだとも言った。
僕は自分の力でそれを進めるのは一向に構わないが、なぜ僕がそれを助けなければならないのかを聞いた。
あなたはアコの恋人でしょうというのが、彼女の答えだった。そしてその土地に家を建てれば、いずれは二人が住むためのものにもなるでしょうと彼女は付け加えた。
もし日本人同士だったら、恋人という理由で相手に土地や家を買ってあげることはないと僕は反論した。
僕はフィリピンに住む予定などないことも話した。
彼女は、リンのことは助けることができて、なぜ自分は助けられないのかと聞いてきた。

一瞬僕は答えに躊躇したが、正直に話をした。
彼女に毎月お金を送ったのは自分の間違いであることに気づいているが、突然それを止めることは難しいと思っていること。
いずれは送金金額を減らすか止めたいと思っていること。
リンには、それとなくその話をしていて、ちゃんと今から考えておいて欲しいと伝えていること。
僕の送金で彼女の生活や金銭感覚をくるわせてしまったことは、自分の責任だと感じていること。
同じ過ちは、2度と繰り返したくないと思っていること。
だからハニーには申し訳ないけれど、今回のお願いには応じられないことを伝えた。

そもそも僕は彼女の話が全く理解できなかった。
日々食べることができないから助けて欲しいという話なら理解できる。
しかし現在住む場所があり、しかもすぐに住むわけではない土地に大金を投入しようとする意味がまるでわからなかった。
もしそれが、人のお金で買えるのなら買っておこうという軽い気持ちで話してきたのなら、言語道断だと思った。

彼女が以前、僕との事は決してお金ではないと言っておきながらそんなお金の要求があったことに、僕は完全に裏切られたような気になっていた。
実は彼女が土地の購入を考えるにはそれなりのきっかけがあったのだが、詳しい事情を知らない当時の僕は、フィリピン人の計画性のなさに嫌気がさしてきた。
なぜ自分の収入に見合った生活を考えないのか、なぜ簡単に人に頼ってくるのか、憤りを覚えずにはいられなかった。
このままだと、僕はフィリピーナにけつの穴の毛まで、全てむしり取られてしまうという危機感さえ感じた。
先ほどまでの穏やかな休日を台無しにされたことに対する怒りも吹きあがってきた。

いくら話を聞いても彼女の話は理解できなかったし、彼女もそれじゃ土地を買うのはあきらめるとは言わなかった。
イライラ感が頂点に達しようとしていた僕は、とうとう別れ話を切り出した。

「あなたはリンと同じだ。あなたはやっぱりお金が欲しいから僕に近づいたんだね。」
「リンと比べないで!アコそれちがうよ。」
「いや違わないよ。お金のことを頼むなら、あなたの前のお客さんに頼みなさいよ。日本のお客さんから、まだあなたに時々電話あるでしょ?僕はあなたが誰からお金をもらっても、あなたがそれで何をしても、これから気にしないから。」
「それは何の意味?あなたアコの恋人やめるの意味?」
「そう。今それを決めた。これからはもう僕に電話しないで!もし電話しても、僕はもう出ないよ。それじゃさようなら。」
「ごめんなさい。アコ悪かった。もうお金のことは言わないから、それ言わないで。」
「ごめん、もう僕は決めたから。僕のそのデシジョン(決定)は変わらないよ。」

彼女は電話口で泣いていた。
しかし僕はもう一度さようならと言って電話を切った。

電話を切ってからの僕は、ハニーとのやり取りを反芻した。
もしリンへの送金がなければ、少しは考えてあげる余地があったかもしれない。
しかし、リンのサポートだけでも頭を抱えていた僕に、更に追加で大きな荷物を担ぐことは到底できなかった。
そしてそもそも彼女の話も理解できなかった。
自分の対応はおそらく間違ってはいなかったと思うのだったが、後味の悪い感触はいつまでも残っていた。
それからすぐに、彼女から電話がかかってきたが、僕は出なかった。
僕が電話に出ないと悟ると、今度はメールが入ってきた。
メールには、自分が悪かった、ごめんなさいと、何度も謝りの言葉が書かれていたが、僕はそれに対する返信もしなかった。

それが一週間ほど続いたが、僕は彼女に対して何も返事を返さなかった。
彼女の呼びかけに無視を貫き通すことは、僕にとっても穏やかなことではなかった。
かわいそうだという気持ちもあれば、彼女を心配する気持ちもあったが、ここで折れたらまた不自然な三角関係に逆戻りしてしまう。
今回はそれを解消するよい機会かもしれないと、がんばって彼女のコンタクトに無視し続けた。
僕は彼女からのメールを受け取るたびに、早く諦めて新しい人生を歩む決心を彼女にして欲しいと願っていた。
そしていずれは諦めてそうなるだろうと高をくくっている気持ちもあった。

そんなある日、突然ハニーの一番の親友であるヘイセルから僕の携帯にメールが入った。
ヘイセルとは以前マニラで会ったことがあり、お互いに面識があった。
彼女は僕にリンという女性がいることも知っていた。
ハニーは親友の彼女には、僕の事情を含めた二人の全てを話していた。

その時のヘイセルのメールは、僕に驚愕の事実を伝えていた。

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