フィリピーナと共に
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国際恋愛:カテゴリの記事一覧です。

2009年05月10日

リン49 運命の出会い?

リンのことを考えていると、フィリピンパブへ行きたくなった。
あそこへ行けば、フィリピンの空気を感じることができるし、いやなことや余計なことを全て忘れることができる。
こんな空間が身近にあることをずっと知らなかったことに、損をした気分になるほど僕には居心地の良い場所だった。

実際に仕事で追い詰められたときにはずいぶんと救われた。
会社は全く知らないが、僕が仕事を人並み以上にがんばることができたのは、そこで羽を休めることができたからだ。
部下や周囲の人間が、僕の精神力の強さをたたえることがあったが、僕はもともと強い人間ではない。
むしろそんな場所に逃げ込まなければやっていけない弱い人間だった。

どこかへ行きたいがどの店でも良いというわけではない。
心を癒しに行くのが目的だから、ついてくれる女性とは波長が合う必要がある。
しかし恋人を探しているわけではないから、合いすぎても困るのだった。
アキのような女性が自分に好意を持ってくれることは正直嬉しい。
しかし自分が溺れてしまう危険のある女性には近寄りたくなかった。
そのあたりで、微妙なバランスを必要とした。

アキのように、男を引き寄せる魅力を兼ね備えた女性は一緒にいて楽しいが、そんなアキから逃げ出した僕はやっぱりリンを愛しているのかと思った。
そんな時は、自分でもよくわからない心理が働くのだった。



会社の近場でまだ足を踏み入れていない店が3店あった。
初めての店は、最初は入りづらくもあり最初は落ち着かなかったりするが、未知の世界へ足を踏み入れる時の胸の高鳴りのようなものがあった。
そして指名の女性がいないというのは、ある意味お気楽にその場を楽しむことができた。

ふと職場の仲間うちで話題となっている店を思い出した。
その有名店とやらを一度覗いてみようという気になり、仕事が終わってから行ってみることにした。
誰かを誘ってみようか迷ったが、誘うのが面倒で1人で行くことにした。

その店は駅から少々離れた場所にあった。
静かな住宅街と賑やかな商業街の境界線のような場所に位置していた。
7階建てのビルの中にあり、1階には静かにお酒を飲めそうなショットバーがあった。
ビルの入口にはさりげなく明かりを灯した店の看板がポツンと置かれているだけっだったが、上を見上げると縦長の大きな看板がビルの中腹あたりに添えつけられていた。
エレベータに乗り込み案内板を確認すると、その店は5階ということになっていた。
静かにエレベータが上昇する。
エレベータのドアが開いたとたん、そこは店内などというケースもあるから少し身構えていた。
しかしドアが開いたところは、拍子ぬけするような静かなフロアーになっていた。
かすかにドアの向こうから音楽が漏れ出している。
店の入口横に、フィリピーナが20人程ひな壇形式で並んでいる大きな写真があり、意味もなくその写真を眺めた。

ドアを開けた瞬間に、漏れ出していた音楽が数倍の音量で飛び込んでくる。
「いらっしゃいませ」
白ワイシャツに蝶ネクタイのホールスタッフがすばやく飛んできた。

スタッフの案内で店内に入り込む途中、右側の壁沿いにある長いソファーに座ったフィリピーナ達が自分を観察するように見ている。
きっと新顔だとチェックしているに違いない。
この瞬間が僕は一番苦手だった。
テーブルにつくと、すぐに別の年配ホールスタッフがやってきた。
「初めてですか?」
「ええ」
「それじゃうちで1番かわいい子を連れてきますので少々お待ち下さい。」
「はあそう?それじゃぜひお願いしますね。」
僕は照れ笑い気味に答えた。
1番かわいい子と言われ、なんとも軽くて安直な営業トークだと思った。

渡されたおしぼりで手を拭きながら、店内を見渡した。
店内全体をかろうじて見渡せるほどの照明具合で、正面に少し高い大きなステージがあった。
3段だけではあるが、階段を利用して上がるステージを持った店は初めてだった。
テーブル席が全部で30ほどで十分な広さを持っているが、柱を上手に利用し所々が死角になっている。
アキの店ほど落着きがあるわけではなかったが、店内でばか騒ぎをしている客もフィリピーナもいなかった。
10人程の客がいるようだったが、見えるのはほとんど後頭部だけで、会社の人間が来ているかどうかはわからなかった。

そしてそこに現れたのがハニーだった。

細身の体に黄色一色で統一されたミニスカートのワンピースを着た若い子だった。
小さい顔の中に存在感を誇示するような大きな目が特徴的だった。
2か所をゴムで止めたツインテールの髪を左右にたらし、それが子供っぽい印象だった。
美しい女性というより、かわいい子という言葉が似合う女性だった。

「ハニーです。はじめまして。」
「はじめまして」
「ここ初めてでしょう?」
「そう、初めてだよ。よくわかるね。このお店長いの?」
「ながくないよ。まだ3か月。あと3カ月間だけここで働くの。」
「そのあとはフィリピンに帰るの?」
「そう、だってその契約だから・・」

声が見た目と同じで子供っぽく、話し方は明るかった。
年は23歳と言ったが、年齢詐称ではないかと思うほど若く見えた。
屈託のない調子で、初めて会ったとは思えないほど色々なことを話しかけてくる女性だった。
彼女はファーストタイマーだと言ったので、日本に来たのは初めてで、まだ3か月しか経っていないことになる。
ほんの3か月間だけで普通に日本語を話せるフィリピーナ珍しくはない。
フィリピーナの語学能力にはいつも舌を巻いてしまう。


お互いに自己紹介を終えたところで、彼女は自分の子供の話を始めた。
彼女はその若さで、1歳少しの子供がいると言った。
そして財布の中から取り出した、一枚の赤ん坊の写真を見せてくれた。
「かわいい?」と聞かれても、かわいいのかそうでないのかよくわからなかったが、とりあえず「うん」と答えておいた。

彼女はタレントだったが、子供がいることをいきなり正直に話す子は珍しかった。
客に敬遠されるような事実は隠すのが普通だった。
そして何よりも、子供のような彼女に子供がいるということが驚きだった。
写真を見せられてもにわかに信じられなかったし、簡単に子供を作ってしまう彼女に少し引いたのも事実だった。

彼女は写真を見せながら話した。
「わたしの愛するベイビーよ。わたしはこの子がいるから頑張れるの。毎日この写真を見てるの。」


後で知ったことだが、彼女はその店でNo1だった。
僕の持っていた店のNo1のイメージは、もっと大人っぽくて女らしさを振りまいているような女性だったので、子供っぽい彼女がそうだとは意外だった。
しかしハニーは確かに客受けしそうな容姿と接客技術を持っていた。
フロアスタッフが一番かわいい子を連れてくると言ったのは、単なる営業トークではなく本気だったと後で納得した。


のちに彼女が僕に言った。
初めて僕に会った時に、運命の人に出会ったと思ったと・・。
それを最初に言われた時には、僕は運命などというものを信じていなかった。

しかし、その時に見た写真の子供が僕をダディーと呼び、彼女が僕の子供をその体内に宿している今は、運命という言葉の不思議さを考えずにはいられない。

ハニーとそうなるまでには、まだまだ紆余曲折の物語がある。

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カテゴリー:国際恋愛
エントリー:リン49 運命の出会い?
2009年05月09日

リン48 混沌状態

3月のセブ出張の件があってから、僕はますますリンの本当の気持ちがどこにあるのかを考えるようになっていた。

フィリピンパブで知り合ったアキが自分に想いを寄せているかもしれないということは、アキ自身に伝えられる前から薄うす感じていた。
決してはっきりとした関係ではなくとも、好意を持つということは以心伝心で通じるものだ。
アキと出会うことで、人が人を好きになるということはそんなものだということを僕は思い出した。

たくさんのフィリピーナとも話をした。
彼女たちが異性を愛するという行為は、一途で情熱的で全てを捧げるものらしかった。

それらのことからリンの言動はかけ離れているように思えた。
おそらく言葉や文化の違いの問題ではないなと思い始めていた。
単なる性格の問題か、もしくは愛はなくお金だけが目当てか、僕の中ではそのいずれかに絞り込まれていた。

そして問題だったのは、自分がどうなのかを考えるようになっていたことだった。
ふとそんなことを考えている自身に気づき、もしかして自分が揺らいでいるのかと思った。
少し前までは二人が結婚をし、日本で一緒に生活することを想像することもあった。
もはやそれは、まるでピントのずれた写真のように鮮明なイメージを抱くことができなくなっていた。

一緒にいる時には問題がなかった。
いやなことがあっても、喧嘩をしても、それは一過性のものですぐに通り過ぎていた。
リンと一緒にいる時には幸福であり、気持ちが安定していた。
二人が一緒に買い物に行くことも、映画をみることも、食事をすることも、そしてベッドで寝ることも、全てが自然でなんの疑いもなく受け入れることができた。
なくなって初めて苦しいことに気づく空気のような存在になりかけていた。
リンも同じ感覚で、少しルーズになっているのだろうか?

前向きに考えれば頭の中にそれなりの場面がいろいろと浮かび、後ろ向きに考えても同様だった。
頭の中で様々な考えが錯綜していた。

ただ一つだけ明確に言えることは、それまで築き上げた関係を壊すのは怖かった。
既にお金もたくさん使っているという邪心があったかもしれないが、それよりも自分の心がそれに耐えられるのか自信がなかった。

もしリンを手放した時に、リンと過ごしたあの幸福な時間を僕は再び持つことができるのだろうか。
40歳に手が届きそうな自分がである。
リンとの付き合いは、まるで青春を取り戻したような錯覚を自分に呼び起こし、そして起伏の激しい道のりを歩くことが、死にかけた自分の人生に煌々と光を照らしているように思えた。
それはまるで麻薬のようでもあり、それがなければ生きる意味はないかもしれないという感覚まで抱いていた。

とにかくリンと一緒にいたかった。
否定的な考えにのみ込まそうな自分を止めることができるのは、彼女自身しかいないと信じていた。
身近に暮らしていれば彼女の愛を感じることができるかもしれないし、二人は将来ずっと一緒に、穏やかな人生を歩むことができるかもしれないと考えていた。

しかしリンは冷めていた。
いや・・それは僕の勝手な解釈で、リンは普通だった。
電話で話をしているだけなのだから、気持ちや考えにギャップがあるのは当然だった。
本当に愛があるかを何ではかるか?
体の関係を容認するかどうかで彼女の愛をはかることはできないから、僕は結婚の話をしてみた。

「ハニー、もし僕が結婚して欲しいと言ったら、あなたはどうする?」
「なぜそんなことを突然聞くの?それはあなたのプロポーズ?」
「いや、そうではないけれど、もしもの話だよ。」
この質問に無理があることは承知していたし、あまり意味をなさないともわかっていた。

「もちろん嬉しいわよ。ハッピーだわ。わたしがどんな返事をするかは、あなたはもう知ってるでしょ?」
「そうか、わかった。ごめん、突然変な話をして。もしプロポーズをするんだったら、もっとちゃんと言うよ。」
「そう?あなたにその気があるの?」
「なんで?僕の気持ちを感じない?」
「オッケー、プロポーズしてくれるんなら、わたしは楽しみにそれを待ってるわ」

結局この答を聞いても何も変わらない。
全てをお金に結びつけて考えてしまえば一旦ずれた焦点はぼやけたままで、相変わらず混沌とした気分だった。

そんな不安定な時期に、僕の心を捕まえようとする女性が突然目の前に現れた。
その女性はやはりフィリピーナだった。

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カテゴリー:国際恋愛
エントリー:リン48 混沌状態
2009年05月08日

リン47 落胆

マニラとセブへ出張が、3月の頭に予定されていた。
最初にマニラで仕事を済ませ、その後にセブに立ち寄る予定になっていた。

普段リンに対して疑惑めいたいろいろな事を考えるが、いざ会えるとなると素直に嬉しかった。

3月のフィリピンは初夏であるから、雨も少なく気温は少し高めになる。
日本人の僕には、フィリピンは万年夏で季節があることが不思議であるが、一応夏と雨季は区別されているようだった。
それ以外のシーズンがあるのかないのか、あるとしたら何というのかは僕は知らない。

2月にはバレンタインディーがあったが、3月に現地に行くということで何も贈らなかった。
デレェイド(遅い)バレンタインでセブ現地で一緒にプレゼントを買う。
もっとも、アドバンスド(前もった)クリスマス、誕生日、バレンタインと称して、さんざんプレゼントの前倒しをしてきたので、本来はとっくにバレンタインディーギフトなどわたし済みだった。
しかし僕がその話をして「もう忘れたの?」と聞くと、リンはおどけて「私のメモリーは悪いのよ」と返事をする確信犯であった。
もちろん僕もそんな時は冗談で話している。

リンの予定は学校だけで、僕も昼は仕事があるので会えるのは夜だけになる。
僕がセブに行くと、リンはいつも着替え一式をホテルに持ってきて、一緒に宿泊しながらそこを自分の家のように使う。

今回も当然それまでと同様のパターンになると思っていた。
しかしセブについた初日、チェックインを済ませホテルの部屋でリンに連絡を取ると「忙しいからすぐに行けない」と言われた。
詳しくはわからなかったが、どこかの選挙の手伝いをしていて手が離せないようだった。
僕は食事を済ませ後部屋で待っていると伝えたが、リンが電話をくれたのは夜11時を過ぎたあたりであった。

「もう終わったけれど、今日は疲れたからハニーの部屋に行かなくてもいい?今家にいるんだけど、もうここで寝てもいいかな?」

その言葉を聞いた僕は、心臓に杭が打ち込まれたようにすぐに言葉が出ず、自分の気持ちも表現できずに「そう、わかった」とだけ答えた。
とりあえず電話を切ったが、静かな部屋の中で何か裏切られたような重い気分が残った。
(普段離れ離れの恋人ってそんなもの?数か月ぶりに会うのに?)

本当は文句を言いたかった。
しかし文句を言うのが筋なのか、そして具体的に何に対して、どのように文句を言えばいいのかすぐにはわからなかった。
言うとすれば、ただわめきたてるだけとなる。
部屋に来るのが一日遅いだけでそれがなんだと言われれば、もう二の句がでなくなってしまう可能性もある。
「わかった」と捨て台詞をはき、電話をブチっと切るのが関の山だ。

この出来事は些細なことではあったが、僕の心に尾を引いた。
僕は後に、日本のフィリピンパブで働くフィリピーナにこの出来事を伝えどう思うかを尋ねたが、どの答えもアンビリーバブルで、それは愛がないかもしれないとうものだった。
普通だったら嬉しくて、少しでも早く会いたいし抱き合いたいのが本当の恋人でしょうと言われた。
確かに自分もその通りだと思うし、少なくとも自分はそうだった。
その時のリンの行動や気持ちは、その当時は全く理解できなかったが、今振り返ってもそれだけは理解できない。

最初からケチがついたセブ訪問となったが、それでも次の日はできるだけ冷静につとめ、文句にならないように気をつけながらリンの気持ちを尋ねてみた。

野外レストランチャーコールで食事中の会話だった。

「昨日は大変だったの?」
「ええ、選挙の応援を頼まれちゃって。すごい疲れちゃってごめんね。」
「ああ、OK, それはアルバイト?」
「フリーよ。ただのお手伝い。」
「そう・・。ねえハニー、聞いてもいい?久しぶりに来たのに、すぐに会いたいとか、そんな気持ちはないの?」

リンは食べる手を止め顔をあげた。

「ごめん、怒ってるの?」
「怒ってないから、質問に答えてくれない?すぐに会いたいという気持ちはない?僕はあったよ。ハニーは?」
「・・・・・ごめんなさい。今日は学校もあったから。」
「でも寝るだけだったら、ホテルの部屋でも寝れるよね。」
「そうね。あなたの言うとおりだわ。それは私が悪いわね。」
「いや、誰が悪いという話ではなくて、すぐにでも会いたいという気持ちがあるかないか、その話をしてるんだけど」
「もちろん会いたいわよ。でも本当にすごい疲れちゃって。本当にごめんなさい。」
「謝らないでくれ。わかった。もうこの話はやめよう。」

そのまましつこく話をしても話が進展する兆しがなかったから、打ち切った。
謝られると、そんなことにこだわる自分が愚かに思えた。
とりあえずそれ以上考えるはよそうと、自分に言い聞かせた。
本当にただ単純に、疲労困憊していただけかもしれない。
自分があまりにも期待しすぎていただけかもしれない。

しかし僕は自分自信でわかっていた。
自分は本当に怒るとしつこく言わないことを。
そう・・、言葉が極端に少なくなる。
それはあきらめの境地からくるもので、いろいろ話をしても時間の無駄だと思っている場合が多い。

リンに過度に期待したり信用すると、後で自分が傷つくことになるかもしれないという恐れが芽生えた。
それはその後ずっと、腫瘍のように僕の頭の中にこびりつき、いつも影から僕を脅かすようになった。
それまでリンに、僕のことを本当に愛しているかと尋ねることがあったが、その時はそのセリフさえ言うのが億劫になっていた。

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エントリー:リン47 落胆

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