フィリピーナと共に
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2009年05月02日

リン37 仲直りの電話

リンとの気まづいやり取りの後、僕は1週間ほどリンには電話をしなかった。

それは怒っていたからでも、リンに対する愛情が消えうせたからでもなく、ただ単に、何を話せばいいのかわからずに、電話がしづらかっただけだった。

約束したお金は電話の2日後に銀行から送金を済ませていた。

最初のうちは、深夜近くに一日に一回のリンのコールがあった。
次第にコールの数が増え、1週間後には数時間おきに電話が鳴った。

僕もいい加減にしないと、本当に二人の関係にひびが入ってしまうかもしれないと思い、ようやく重い腰を上げてリンにコールした。
ついでにリンに土産話もあった。

10月の初旬に一週間のセブ出張が決まっていたことだった。
お客さんの都合で急きょ決まったが、その週は平日に一日工場の休業日があった。
その休みを利用して、購入した家の様子を確認したいと思っていた。


リンは2コールですぐに電話に出た。

「ハロー!」

「オー、ハニー! ロングタイムノーヒア」
(久し振り・・本来はLong time no seeだが、電話での会話の時は、二人はふざけ合ってよくこの言葉を使っていた。)

リンの甲高い声がかえってきた。
リンがおどけた口調で会話をスタートしたので、少し気が楽になった。

「久し振りだね。どうしてた?お金は送ったけど、わかった?」

「ほんと?ありがとう。まだ口座見てないからわからない。どうして電話してくれなかったの?」

「ちょっと仕事で忙しかったからね。銀行は明日にでも確認してくれる?送金ミスがないか心配だから。」

それまでは仕事が忙しくても電話は毎日かかさずしていたのだから、電話をしなかった理由にはならなかった。
しかしリンはそれ以上そのことは追及せず、だたOKとだけ返事をした。

「この前は悪かったね。反省してるよ。」

「ノー、全部わたしのせいよ。電話のことも、お金のことも。わたしが悪かったわ。とにかくこうして話ができて嬉しい。ほんとに心配してたんだから。」

「ほんとにごめん。学校はどうしてる?ちゃんと行ってるの?」

「もちろんちゃんと行ってるわよ。今授業が難しいの。家でも勉強しない理解できないわ。テストだってあるから、真面目にやらないとパスしないわよ。」

「そうか、ちゃんと学校に行ってるならよかったよ。ところでさ、来月の初めにセブに行くよ。」

「ホント?」

ここでリンの声のトーンがひときわ高くなった。
しかもその時は、日本語の「ホント?」だった。
たまにリンが使う「ホント?」は、イントネーションが日本人のそれとは違うので、僕はいつも笑ってしまう。

「オー、グッドニュース」

「今回はね、1日だけ平日に休みがあるんだ」

「そう?私もその時は学校を休むわ。先生と話しをしてみる。」

「わかった。でも無理しなくていいよ。」

しつこく電話をしてきた割には、特別な歓喜も文句もなく、リンは終始たんたんとしていた。
リンの態度が普通だったから安心をしたが、1週間も連絡をしなかったのだから、もっと喜んだり怒ったりするのが普通なのかもしれなかった。
しかし特別何かの感情を抑え込んでいる感じではなく、リンはあくまでも普通だった。



あの大喧嘩からリンは、お金のことをあまり口にしないようになった。
お金の話につながるような問題も、敢えて話さないようにしている節があった。
電話の応対についても、ほとんど数コールで応答するし、出られない時でもすぐにコールバックするようになった。
道を歩いている時にはとりあえず電話に出て、今は外で話ができないから30分後に電話をしてなどということもよくあった。(夜は道端で携帯を使用すると、ひったくりにあうので危ない)

明らかに僕に気を使っているようだった。

僕はリンと喧嘩をした時に、他に男がいるのではないかという意味の話をしてしまったが、実際にはリンに男の影などは、全く感じていなかった。
ただ単に、いろいろなことにイライラしていただけで、それを解消するためにリンを攻撃してしまった。

しかし一旦落ち着いてみると、あれがリンのリラックスした自然なスタイルだったのかも知れないと思えてきて、僕はリンを、窮屈な檻の中に閉じ込めてしまったかもしれないと心苦しくなるのだった。

その辺りが複雑であった。
僕はリンに何でも相談して欲しかったし、リンが自由にのびのびと暮らしてくれるのを望んでいた。
しかし度が過ぎると、それに対してイライラしてしまう。

その辺りの微妙な気持ちを説明しようと試みたこともあったが、それを英語で上手にリンに伝えることができなかった。

実態のある事柄を説明したり聞いたりすることは簡単だったが、気持ちを表現する内容は、話していることはわかっても、どの程度真剣なのか、どの程度冗談なのか、そのニュアンスを掴みかねる時があったし、伝えることも難しい場合があった。

だから二人の意思疎通の過程で、多分に誤解が生じていたケースもあったはずだったし、ずっと時間が経過してからそのことに気づいたことも多分にあった。

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カテゴリー:国際恋愛
エントリー:リン37 仲直りの電話

リン36 大喧嘩

リンの僕に対する愛に疑いを持ち始めたと同時に、リンへの送金を負担に感じるようになってきた。

それは毎月20万円を送ることに対してではなく、計画的に物事を運べないことにイライラを感じていたのだった。

預金もリンと付き合い出してから300万強が減っている。
送金した合計金額は、それだけではない。
あくまでもそれは預金を切り崩しただけの金額で、それ以外にも毎月の給与から出している分もある。

一度銀行の送金控えを計算してみたら、それだけでも500万を超えていた。
1年半でその金額を送金する必要があったということに、驚異を感じた。
しかもフィリピンへ行った時に現金で渡した分もある。

僕が彼女にそれだけお金を渡せたのは、収入が世間の平均と比較し上の部類であったこともあるが、海外出張が多く、現金手当を多く手にすることができたという理由が大きかった。
その臨時収入はもともと生活であてにしているお金ではなかったから、気軽に彼女へ渡せるのだった。
この手当は出張エリアで変動するが、1日で7千円から1万円ほどついていたから、かなり助かっていた。


まだ間に合う。
手元に余裕があるうちにこの流れを断ち切って、少なくとも現状維持ができる程度にはしたいという思いがあった。
送金金額を減額するか、もしくは臨時の送金には一切応じないようにする。
リンやリンのファミリーの最低限の生活は保障したかったから、それをするにはリンの生活費を細かく分析し、何を減らしていくべきかということを二人で協議する必要性を感じていた。

顔を合わせてじっくりと話しをしたいところだが、そうもいかず電話で度々その話をするようになった。
しかし中々話がかみ合わない。
今後の計画を作りコンセンサスを得たいということが僕の話の主旨なのだが、リンにはそのように伝わらなかった。
リンは送金金額を減らすことや、臨時送金に応じがたいという話には同意し、「its OK!」という言葉でその話を打ち切りたがった。

しかし僕の伝えたいことは、今後の生活設計をしたいしたいということであるので、そのOKで簡単に引き下がりたくはなかった。
お金に関する話題に執着していると、そのうち二人の雰囲気がおかしくなってきて、お互いにいやな気分になりながら電話を切るということが何度も起こった。

どうもフィリピン人には、生活設計という思考が欠落しているように思われた。
その日暮らしに慣れすぎた民族で、長い間そうしてきたからその手の話は理解できないかもしれないと、あきらめの境地に至ることもしばしばだった。


そんな時に、リンから思いがけない申し入れがあった。
2階部分の建て増しがひと段落ついた時であった。

家の周りにフェンスを張り巡らしたいというのだ。
庭に大きなマンゴの木があるのだが、そのマンゴを泥棒するやからがいるというのが理由だった。
どんなフェンスになるのかわからなかったが、金額は40万だという。

その話を聞いた時には、自分がリンに話していることが、何も彼女の心に響いていないのかと落胆した。
先行きの不安を感じてしかたなくなってしまうのだった。
フェンスの話は使途も理由も明確だったので承諾するのは構わなかったが、簡単にOKを出すと今後のことにも影響するだろうと考えた。

このままずるずると同じことを続けていたら、二人の関係がだめになってしまうという恐れが僕を支配していった。

僕はそのフェンスの設置に対していろいろと難くせをつけた。

本当に必要なのかもう一度よく考えろ、30万という金額は大金だ、簡単に送金してくれなどと言わないで欲しいという意味のことを言った。
その話で終われば良かったのだが、僕は余計なことも話してしまった。
「ハニーは僕の事を本当に愛しているのか、お金だけが目当てじゃないか。もしそうだったらはっきり言ってくれ。お金は渡す。お金だけの話であれば、将来のことなど考えずに済むから、ある分だけ簡単に渡せる。」と。

この言葉にリンも怒ってしまった。
「わたしがあなたをどれだけ愛しているのか、あなたにはわからないの?なぜそんなことを言うの?もうお金はいらないわ。今日の話はわすれてちょうだい。こんな話で喧嘩をするのはきらい。」
と言い、リンは無言になった。
もしかしたら泣いていたかもしれなかった。

しかしその時の僕はたちが悪かった。
それまでたまっていたものを全部吐き出すかのように、なぜそんなことを考えているかも含めてリンにぶつけてしまった。
「なぜ電話に出ないことが多い?最近はコールバックもないことが多いじゃないか。僕の送ったお金でどこかの男と楽しくやってるんじゃないかって思うと、心が痛くなるよ。それを疑っているよ。」
「お金の使い方は、もっと計画性を持たせてよく考えて欲しいという話を何度もしているじゃないか。」
「もし僕に対して気持がないのだったら、はっきり言ってくれ。責任上生活の援助は続けるから、その心配はしなくてもいい。とにかくハニーの気持ちを正直に話してほしい。」

お金の話と普段不安に思っていることがごちゃまぜになり、話題がだんだんと違う方向へと流れていった。
リンは他に男がいるなんてとんでもないと否定しながら、僕がそんなことを考えているなんて信じられないと反論した。
しばし同じ意味の問答が繰り返され、最後はお互いに疲れてしまった。

僕は電話の話が終盤に近づいた時には、まずい事を言ってしまったことを自覚していた。
こんな話をするつもりは全くなかったのに、なぜこうなったのか、自分でもよくわからなかった。
気まづかった。
僕のリンに対する愛情を、リンに疑って欲しくなかった。
最後にフェンスのお金は今後一切追加は認められないという条件を付けて、少し多めに40万を送るという話をして電話を切った。
リンも一言だけサンキューと、小さな元気のない声で答えただけだった。

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カテゴリー:国際恋愛
エントリー:リン36 大喧嘩
2009年05月01日

リン35 国際恋愛の障壁

リンのスクールがスタートすると、僕の電話が遅い時間になってしまった時には、彼女が電話に出ないことが多くなった。
1〜2時間後にコールバックがある時もあれば、翌日の昼頃にコールバックがあることも多々あった。
そんな時は「ごめん、ついつい寝ちゃってた」という言い訳から話が始まった。
学校に通うことで、早寝早起きの規則正しい生活になることを良いことだと思っていた僕は、そのことに対しては何も文句はなかった。

しかし次第にリンの対応がルーズになってきた。
早い時間に電話をしても応答せず、その後のコールバックがなかったり、長い時間呼び出しにでなかったりした。
電話がつながったときに理由を尋ねると、
時間外の授業中、外を歩いていた、い眠りをしていた、電話に気づかなかった等々、それぞれにそれなりの理由はあった。
しかし以前とは明らかに対応が変化していた。
それが学校が始まったせいなのか、それとも他に理由があったのかは、僕にはわからなかった。

なんとなくイライラがつのっていた。
会社を休んで、リンに会いに行きたかったが、さすがにそれもかなわなかった。
時折リンに不満をぶつけると、リンの対応は以前と同じになるが、しばらくするとまたもとに戻り、電話にでないことが多くなった。
リンは学校の授業で疲れていると話していた。

時にはリンの身の安全を心配したり、時にはリンの自分に対する愛を疑った。
遠く離れていることで、どうしようもなく、それがますます僕の心を乱していった。
それでもリンと話をしていると、落ち着きを取り戻し、自分の考えすぎかとも思った。
そして電話がつながらないとまた不安からくるイライラ状態になり、その繰り返しの日々となった。


普段は僕の電話に対するコールバック以外で、リンから電話をしてくることはなかった。
それは僕から必ずリンに電話を入れることがわかっていたからなのかもしれない。

しかし、電話の対応が悪くなったと感じている時でさえ、珍しくリンから電話がかかってくる時があった。
もちろんリンからの電話はワン切りで、電話をして欲しいという合図なのだが・・。

珍しいなと思いつつ電話をすると、最初は普通の世間話をしているのだが、最後にはお金の話になり送金するはめになった。
そんな時には、電話を受けた時の喜びが逆に裏目となり、虚しい気分に襲われるのだった。

それが度重なってくると、彼女が積極的に僕と話をしたいのは、お金を送って欲しいときだけじゃないかという想いが僕の中で大きくなっていった。

こうして自分の中に、リンに対する不満が積み重なっていった。


国際恋愛には様々な障壁がある。
言葉の問題。
教育や文化の違い。
そこからくる考え方の違い。
環境の違い。
そして二人の距離の問題(これはVISAの問題も関係する)

パスポートを利用し、飛行機に乗らなければ会うことができない。
土日を利用してちょっと会おうと言うわけにはいかないのだ。
しかもリンを呼びたくても彼女の日本入国は簡単ではない。

僕の中では、何もかもがもどかしくて仕方がなかった。
せめてリンがそばにいてくれたら、それだけで心配や不安が解消されることはたくさんあることがわかっていた。

僕は国際恋愛の障壁に行く手を阻まれ、地団太踏んでいた

そしてリンと大喧嘩となる出来事が起こった。

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カテゴリー:国際恋愛
エントリー:リン35 国際恋愛の障壁

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