フィリピーナと共に
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2009年04月22日

リン19 嬉しさの表れ

12月27日、たった1席だけ残っていた幸運のチケットをゲットし、再びセブの地に足をおろした。

年末ということで、到着した人数も多く、空港前にはいつものように人だかりができていた。
日本からの飛行機が降りてまもなく香港からの便も到着したため、到着した人も倍に膨れ上がり、混雑に拍車がかかった。

リンの体のことを考え、空港からは自力でホテルに向かうと言ったのだが、リンは大丈夫だと言って、タクシーで迎えに来てくれた。

その年リンに会ったのは、3月、5月、8月、10月、そして今回の12月。
ほぼ2カ月おきに会っている。
2か月のブランクは結構つらいが、最初に思っていたよりも頻繁に会えるものだと思っていた。
会社で頻繁に海外出張をしているせいか、海外渡航がそれほど特別なものに感じない体質になっていることも、幸いしていた。

リンは空港前で僕を見つけた後、突然両手を僕の首の後ろへ回し、頬と頬を合わせるように抱きついてきた。
そして thank you for coming (来てくれてありがとう)と一言だけ言った。
そんなことことをするリンは初めてだった。

そんないきなりのシチュエーションにどぎまぎした。
僕も彼女を抱きしめてキスでもしたかった。
しかし実際には、公衆の面前で二人だけの世界を作りあげることの恥ずかしさがまさった。
少しうろたえながら、彼女のバックに手を回して、背中をさするようにしながら、OK、OKと言うのが精一杯だった。
リンも oh shy ! (恥ずかしい)と言って、すぐに僕から離れた。
二人は、いつもロマンティックに事を運べないのだったが、恥ずかしがり屋の二人だからしょうがないと、気にはしていなかった。

出迎えてくれたリンが、意外に元気そうで安心した。
顔色も、雰囲気も、すべてが今までと何も変わらない。
電話の時の落ち込んだ雰囲気は微塵のかけらもなく、あわただしくセブに来た僕としては、少し拍子ぬけをした。
まあしかし、それがフィリピーナなのだと納得もしていた。
そしてリンが落ち込んでいようがいまいが、とにかく僕は、リンに会うことができて嬉しかった。



寝る時間になって、リンがベッドの上でその気になってしまったことにまた驚いた。

「本当に心配してたよ。子供のことは残念だったけど、またがんばる?」
などと、冗談で言ってしまった言葉が、リンの心に火をつけたとは思えなかった。
リンは
「ええ、これからすぐによ。」
と笑いながらいい、僕に覆いかぶさった次の瞬間にキスをしてきた。
僕には、流産で入院をし退院後の日も浅いのに、大丈夫なのかという心配があった。
リンは問題ないとあっけらかんとして言い、「私は今、そのムードなのよ」といたずらっぽく言いながら、お構いなしに攻撃をしかけてきた。
いつも静かな雰囲気ではなく、明るくじゃれあうような始まりだった。
それでも長いキスを経て、二人の気分は否が応でも高まっていった。


本当に病気で入院したのかと思うほど、リンは普通で元気だった。
敢えてそんなふうにふるまっているかどうか、それはわからなかったが、今回は、いつになく気持ちを積極的に態度で表現するのだった。

僕がリンのためにセブへ駆けつけたことが、リンにはよほど嬉しかったのだろうか。
いつもと違うリンの雰囲気や態度が、それを感じさせていた。

リンはいつも、本心を恥ずかしがって口にしない。
それは僕も同じで、いざとなるとなかなか言葉で愛情表現などできなかった。

ただお互いに、それが自然と態度に出ることはあった。
その日のリンがそうなのだと思った。
そんな時が、本物の愛を感じる時であって、それが心に響き、そして心が満たされた。
お金には代えがたい幸福感が、そこに確かにあったのだった。

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カテゴリー:国際恋愛
エントリー:リン19 嬉しさの表れ

リン18 リンの入院

帰国した日本は、もう肌寒い風が吹いていた。
温かいフィリピン、そしてリンと一緒に過ごす幸福感が恋しくたまらなくなっていた。

仕事は相変わらず忙しく、追われている時には淋しさを忘れことができる。
しかし休日に一人でボーっとしていると、無性にリンの声が聞きたくなる。
そして、声を聞くとまた無性に会いたくなるのだった。

12月に入り世間も騒がしくなってきた。
ちらほらと街中にクリスマスツリーが飾られ始めている。
暮れの休みはセブに行きたいが、どうしても田舎に帰らなければならない用事があった。
それでもあきらめきれずに、セブ行きエアの空席情報だけはトレースしていた。

12月のセブ行きは、直行便、マニラ経由含めて、早々といっぱいになっていった。
ビジネスクラスも満席になった。
もし突然行くことにしても、これでチケットを入手できる可能性はほぼゼロだとがっかりしていた。
車で行けるのなら、たとえ2日間走りっぱなしでも行くのになぁと、リンが遠い海の向こうにいることを、恨めしく思っていた。

12月22日のクリスマス直前のことであった。
リンに電話がつながらない。
電源が切られているか、電波が届かないという電話会社の機械音声が流れている。
そんなこともたまにはあるが、毎日電話しているので、夜遅くまで僕から電話が無い時は、必ずリンからコールがある。
最初は気にもしていなかったが、ふとリンからのコールが無いことに気づいた。
再度こちらから電話をしても、相変わらず無機質な機械音声が流れるだけだった。
その日は外が明るくなるまで電話をかけ続け、そして彼女からのコールを待っていたが、結局彼女とは連絡がつかなかった。
リンと付き合い始めてから、初めてのことだった。

何かあったのか、心配でたまらなくなってきた。
何も手につかない状態で、一人であれこれとリンに連絡をとる方法を考えていた。
リンのお母さんやお姉さんの番号を、ちゃんと携帯に登録しておきべきだったと後悔した。

昼すぎになり、ようやくリンからのコールがきた。
いつものように、こちらからかけ直した。
リンの声にはエコーがかかっており、自分のアパート以外から電話をしているらしいことはすぐわかった。

驚いたことに、リンは病院に入院しているという話であった。
一昨日の夜までは元気だったので、最初は何があったのか理解できなかった。
症状を聞いても、医学用語の英語なのでよく理解できない。
電子辞書を片手に、丁寧に話を聞いて言った。

すると、生理でもないのに出血がひどく、貧血を起こし倒れたという話であった。
最後にリンは、実は妊娠したかもしれないと思っていたが、ドクターにその子供が流れてしまったことを告げられたと言った。
マニラで会った時にできた子供だった。
そして、入院は2〜3日ほどになるという話だった。

リンの入院にも驚いたが、妊娠していたという事実にショックを受けていた。
リンも落ち込んでいた。
そしてごめんなさいと、涙声になり謝ってきた。
謝ることはないといっても、リンはすすり泣くばかりで、話ができない状態になっていった。
とにかく今は体を休めて、回復させるように言って電話を切った。

リンの落ち込み具合が心配だった。
気丈なリンが電話口であのように泣くのは初めてだった。
彼女のそばに行かなければならないと思った。
僕はすぐに車に乗り込み、旅行代理店へ向かった。
カウンターでセブ行きチケット購入を試みようと思った。

カウンター越しに、係の女性がカチャカチャとキーボードを叩きながらパソコン画面をチェックしている。
さっとこちらを向き直し、12月27日行きで、1月6日帰りであれば直行便の空席が1つだけ残っていると言われた。

会社の年末年始休暇は12月28日から1月5日であった。
始めと終わりに、一日ずつ有給を付けなければならない。
長期休暇にそのような有給の付け方は、かなり難しいと思った。
しかし残席はたった一つである。
これを逃すと、きっと今度の休みにリンの元へは行けない。
迷っている時間は無かった。

銀行でお金をおろしてからすぐ戻るので、そのチケットを押さえてくれとお願いした。
田舎にも電話をして、突然帰れなくなったと告げた。
母親には文句を言われたが、仕事の都合だと言い通した。

とりあえずは、チケットを入手した。
あとは会社の休暇である。
仕事で使う時よりはるかに頭をフル回転させ、作戦を考えた。
一日は、事前に有給休暇願いをごり押しで通そうと決めた。
そしてもう一日は、当日連絡で、休暇をとることにしたのである。

事前願いが受け入れてもらいやすいのは、年末だった。
最後の日は、ほとんど大掃除だ仕事納めだといって、仕事にならないからである。
実際、休暇願いを出した時に何色を示されたが、どうせ仕事にならない日だとねじこんで渋々受理してもらった。
他の者に示しがつかないという話も出たが無視した。
僕はその年に、社内の管理職試験を受けており、12月中旬に昇格辞令をもらっていた。
まだ部下はいなかったが、管理職になる人間がそれじゃ困るという意味合いであることは分かっていた。

1月6日の休暇願いは、セブから国際電話を入れるのは無理があると思った。
そこで普段手なずけていた事務の女の子に、当日朝電話があったことにしれくれと頼み込んだ。
僕はリンとのことを、会社の中では特に秘密にはしていなかった。
セブに行くことになった話を彼女に説明したら、指でOKサインを作りながら「まかせて」と言ってくれた。

こうして急きょ、セブ行きが決定したのだった。

リンは彼女が話していた通り、3日後に退院した。
体は大丈夫かと聞くと、問題ないと答えた。
それでも元気がないリンに、明日会いに行くとから元気をだせと伝えた。

リンは突然甲高い声になり
「really?」(本当?)
と驚いた。

僕は、ここぞとばかりに恩着せがましく
「あたりまえだろ、リンが落ち込んでるんだから。遠くたって会いにいくよ。」
と言ったら、

「Wooow! you are so sweet! 」
と、ゆっくりとしたふざけ口調でリンが言った。
それでも、リンが半べそになっているのは、電話口から伝わってきた。

冗談ぽく、泣いてるの?と聞くと

「No, im not crying!」
と、かすれた泣き声で、リンは否定した。

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カテゴリー:国際恋愛
エントリー:リン18 リンの入院
2009年04月21日

リン17 見下されるフィリピーナ

マニラの出張は、アメリカ人のお客さんが2人同行している。
最終日くらいは、どうしても食事に付き合わなければならない。

リンに一緒に行こうと誘ってみた。
恋人として紹介すれば、アメリカ人の彼らであれば、食事の同席は問題ないと思っていた。

しかしリンは行きたくないと言った。
「私はあなたを部屋で待っている。大丈夫。食事を楽しんできて。でも食事だけよ。」

嫌がるリンを無理やり連れて行くわけにもいかず、営業と自分、お客さんの4人で食事に行くことにした。
場所はハーバービューというシーフードレストランに予約を入れていた。
ホテルのロビーに6:30集合であった。

時間通りロビーに行くと、お客と一緒に一人見知らぬ女性がいた。
僕が歩み寄っていくと、お客の一人が、彼女も一緒に行っていいかと尋ねてきた。
僕は「sure!」と勿論問題ないと答えた。
彼女と軽く挨拶を交わした後、お客さんの一人に小声で
「彼女はあなたの恋人?」
と聞くと、Noという返事だった。
彼女はマニラで見つけた友達だという話であった。

僕はすぐリンに電話をし、女性が一人いるからリンも一緒にどうだと、もう一度誘ったが、準備に時間がかかるから、やっぱりいかないという返事がかえってきた。
結局5人でハーバービューへ向かった。

食事は7:00過ぎからスタートしたが、連れの女性はあまり話しをせず、ただ食事に付き合っているだけという雰囲気に終始していた。
そして突然8:30頃に、お客の一人と連れの女性は、先に失礼すると帰ってしまった。

3人になってから、残ったアメリカ人が彼女のことを話してくれた。
彼女のことは、マニラに来てからすぐに、あるバーで見つけたということであった。
彼は彼女のことを気に入り、それから毎日一緒に食事をし、食事の後はどこかでデートをし、二人一緒にホテルに帰るのだそうだ。
お店にもそれ相応のお金を既に払っているらしい。
彼は独身だから問題ないよ笑いながらと付け加えていた。

それじゃこれから本格的に恋人になるかもねと僕がいったら、アメリカ人はまさかというような口調で、ありえないと強調した。
はっきりとは言葉にはしないが、その時の彼の身振りで、そのアメリカ人がフィリピーナを見下していることが一瞬見えた。

僕は少し気になったので、もう少し突っ込んでみた。
「もしあなたがフィリピーナを愛したらどうします?あなただったら恋人にしたり、結婚を考えたりしない?」

彼は、もちろんそれは人それぞれだけど、自分は絶対にないと言いきった。
それはステータスの問題かと掘り下げてみたかったが、人種差別の微妙な話題になりそうだったので、のどまで出かかった言葉を飲み込み、その話題を打ち切った。

僕はその時、リンを連れてこなくてよかったと思い、同時に何か冷たい風が、心の中を通り過ぎていくような気がしていた。
もしかしたら、リンはその事を知っていたから遠慮したのかとも思った。

僕とリンの関係を知っている営業は、僕に少し気を使っているようだった。


まもなくお客との食事を切り上げ、ホテルに戻ってから、今度はリンを食事に連れ出した。
リンはお腹が空いたといい、僕の腕につかまりながら嬉しそうにレストランへ向かった。
楽しそうにおしゃべりをしながら食事をしているリンを見て、僕は目の前にいるリンと、先ほどのアメリカ人の話を重ね合わせていた。

リンは教育を受け、しっかりとしたマナーも身に付けている。
家族に対する深い愛情があり、僕をいたわる心もあり、夢や希望をたくさん抱えて生きている。
育った環境や文化の違いで、考え方に少し違いはあるけれど、自分たちと同じように頑張って生きている人間なのに、なぜあのようなフィルター越しに見られなければならないのだろう。

しかもリンを含めたフィリピン人の多くは、そのことをよく自覚している。
多くのフィリピーナは、そのように見られていることを認識しながら、自分たちを見下す相手に一生懸命サービスをする仕事をしなければならない。
そんな境遇を、哀れに感じて仕方がなかった。

しかし彼女たちは明るい。
たくさんの傷を心に受けながらも、陽気に生きている。
それが救いなのかもしれない。

食事をしているリンに聞いた。
「are you happy?」(幸せ?)

驚いた時に見せるリンの表情。
目を丸くし、こちらをじっと見る。

「どうしたの、突然。もちろんとても幸せよ。あなたは?」

勿論ぼくもハッピーだよと返した。

リンが幸せと感じてくれるならば、僕はそれで嬉しい。
とりあえず僕が、リンを幸せにしてあげればいいかと思った。

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