フィリピーナと共に
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2009年04月19日

リン13 マニラでの再会

その出張は、営業の人間一人と、更にアメリカ人のお客2人が同行していた。
お客さんが同行している出張で、現地の恋人と会うなど、もし会社に知れたら大目玉である。
しかしアメリカ人ならば、仕事に支障をきたさなければ、そんなことは大いに結構と言いそうだ。
プライベートの時間を拘束されそうになったら、正直に言おうかとも思っていた。

飛行機から降りた瞬間、熱帯地方特有の、湿気を含んだ熱い空気が体にまとわりついた。
この空気を吸いこんだ瞬間に、また来たぞという気持ちになった。

営業マンは気の知れた人だったので、あらかじめリンと会うことを話しておいた。
マニラの空港を出た後は別行動をとることで了解を得た。

リンは当日の朝、僕より先にマニラに入り、マニラの国際線出口で僕を待っているはずだった
飛行機が30分ほど遅れ、リンを待たせている。
出張メンバーと離れてリンを探した。
リンと電話は通じていたが、リンを探しあてるまで多少時間を要した。

リンは陽射しの強い炎天下で、暑さにぐったりしていた。
すでに3時間も待っていたそうだ。
8月の香港以来の再会だったが、リンは相変わらずクールな対応だった。
再開を喜ぶより、とくにかく涼しい場所へ避難することが、彼女にとって最優先だったようだ。

ホテルはウエスティン・フィリピン・プラザだった。(現在は名前が変わっている)
マニラ湾近くにあり、緑に囲まれている、落ち着いた静かな大型ホテルである。
入口を入ると、広いラウンジが下方に広がっている。
ホテル内部は、濃いブラウンの木を多用した、クラッシック調の内装で統一されている。
チェックインカウンターは、左方向奥にあり、数人の到着ゲストが並んでいた。

チェックインの際、妻が同行したことにし、ゲストとしてリンの名前も登録した。
それをしないと、あとで厄介なことになる可能性があった。
夜中に客室へ入ろうとすると、客室エレベータの前でホテルゲストかどうかのチェックが入る。
もしゲスト以外の人間が一緒にいる場合は、追加チャージが発生する場合がある。
あとで知ったが、ウエスティンは追加チャージが発生するとのことだった。
チェックイン時に登録すれば、ルームチャージがアップすることはない。

夜女性を持ち帰る客が多いから、それでひと儲けしようという魂胆なのか?
いや、高級ホテルだから、それを抑制するための措置なのかもしれない。
いずれにしても、セキュリティチェックだけであればチャージは必要ないはずであった。

マニラのホテルに宿泊すると、ホテルのロビーで日本人おじさんと若いフィリピーナの不自然カップルを、たくさん見かけることがある。
他人のことをとやかくと言える立場ではないが、あまりにそれが目立つと、日本人であることが恥ずかしくなってくる時さえある。
その点ウエスティンは、そんな光景を見ることがほとんどない。
そんな落ち着いた雰囲気のウエスティンが、僕は以前から好きだった。

部屋に入りドアを閉めたとたん、リンが僕の首に手を回し、抱きつきながらキスをしてきた。
リンのそんな行動は珍しいが、甘い態度も一瞬にして終わった。
3時間も外で僕を待ち疲れたリンは、その後すぐに、キングサイズのベッドの上に体を投げ出した。

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リン12 マニラ出張

僕は彼女に生活費を送金するようになってから、彼女の気持ちがわからなくなる時があった。

リンはもともとシャイでクールである。
甘え上手ではない。

電話だけの話しでは、彼女の心がどの程度こちらへ向いているのか、自信がなくなる時がある
英語での会話という、言語の違いの問題もあった。
微妙なニュアンスが、わからない時があるのだ。
だから、何を考えているのか、話している内容が嘘か本当か、時々考えるようになっていた。

もし自分に職が無くて食べるものにも困っていたらどうだろう。
毎月生活費をくれる人を、手放すまいとして必死になるだろう。
逃がさないように、懸命にサービスするだろう。

勿論一緒にいる時は、何も問題がない。
しかし海を隔てて、遠く離れて暮らしている。

だから、ふっと不安の境地に陥ることがあるのだった。
特にリンから問題を相談され、臨時送金に至るような時がそうだった。

そんな時は、リンがセブで見せたあの涙を思い出した。
僕が日本へ帰国する前日、さよならジャパニーズと言いながら、溢れ出したリンの涙。
あれは本物だった。
滅多に心のうちを見せないリンの、本当の気持ちだった。
あれを信じたから、今こうなっているのではないかと。
そうやって、自分の中に芽生える不安をかき消した。


10月にマニラへ出張の話が持ち上がった。

早速リンに、マニラ出張の話をした。
リンはほんとに?といい、自分もマニラに行くと言った。
僕は、来てもらっても仕事が忙しいから、あまり相手をできないような素振りを敢えて見せた。
無理をして行かなくてもいいという雰囲気を作り出した。
しかしリンは、それでもいいと言った。
やはりリンにも、直接会いたいという気持ちがあるのだろうか。

マニラでリンと待ち合わせるのは初めてだった。

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2009年04月18日

リン11 リンの過去

リンは自分の過去をあまり話さない女だった。
過去、どんな男と付き合ったのか、どんな職歴があるのか、僕はほとんど何も知らない。

最初に出会ったのはゴーゴーバーだった。
それで、リンはこれまで、本当に仕事で体を売ったことがないかと、一度思い切って聞いてみた。
リンはきっぱりと否定した。

確かにゴーゴーバーで仕事をした期間は短かった。
その言葉に嘘があるようには思えなかった。
しかしリンには、何か言いたくない過去があるような気がしていた。
時々見せる寂しげな雰囲気に、影があるように思えた。


一度リンとテキーラ飲み競争をやったことがある。
まだリンと恋人として付き合う前のことであった。

8杯目を空けた時に、横に座っていた店の女の子がリンを指差した。
見るとリンがテーブルの上に覆いかぶさり、グロッキー状態となっていた。

その当時、僕はリンの家がどこなのかを知らなかった。
タクシーの中で、家はどこかと再三尋ねても、彼女は返事もできない状態だった。
しかたがないので、僕は彼女をホテルへ連れ帰った。
彼女の家族が心配していないかが、気がかりだった。

ホテルでは、ぐったりとしたリンをみて驚かれた。
リンを部屋に連れていく時には、ホテルの従業員に荷物を持ってもらった。
両手にリンを抱きかかえているので、その従業員に部屋のキーを開けてもらった。

ようやくベッドに寝かしつけた1時間後、リンが急に目覚めて、トイレでおなかの物を戻した。
リンはまだうつろな状態で、普段の大きな目が半開きになっている。
僕が支えてあげないと、まともに歩けないほど泥酔状態が続いていた。

そしてベッドに戻った後、突然僕に抱きついて、胸に顔をうずめながら号泣した。
わけがわからずどうしたのかを聞いても、ただひたすら泣くばかりだった。
僕はリンの髪をなでながら、だまって泣かせた。
訳はわからなかったが、僕までつらい気分になっていた。
そしてリンは、30分も泣き続けたあげく、泣き疲れて寝てしまった。

朝になって、本人はそのことを全く覚えていなかった。
覚えていないふりをしたのかもしれなかった。
僕はその時、リンはきっと、何かつらい過去を引きずっているに違いないと感じた。


そして付き合い出してからしばらくのことだった。
僕がセブにいる時は、夕食後リンと一緒に、よくバーに飲みに行った。

いつもはリンが以前働いていたバー エクソティカに行くのだが、その日に限って僕は、知りあいに聞いたアリーナという店に行きたいと思っていた。

リンにアリーナという店を知っているかと尋ねた。
場所はどこかとも尋ねた。
しかしリンは無言だった。
今日はそこへ行きたいから、一緒に行こうとリンを誘った。
しかしリンは、今日はお酒を飲みに行くのはやめようと言いだした。
様子が変だったので、僕は敢えてしつこく誘ってみたが、リンはそこへ行くことをかたくなに断った。
他の店は、どこでもついてくるのだから、その手の店に行きたくないわけではなかった。

断り方が妙だったので、僕も譲らなかった。
それじゃ一人で行くというと、リンは他の店に一緒に行こうとがんばった。
二人の会話は平行線となった。

僕は部屋から一人飛び出し、アリーナに行くふりをした。
そしてホテルのロビーのソファーで座り、リンがどうするかをうかがっていた。
その間、何かおかしいと考えていた。
そして、その後どうするかを迷っていた。

やはりすぐにリンがやってきた。
僕に気づかず、僕を追いかけるように、小走りでホテルの出口へ向かった。

僕はリンを呼びとめた。
リンは、先ほどの会話の続きは時間の無駄だと思っているのか、何も話さない。
どうやらリンは、アリーナへ一緒に行く覚悟を決めて出てきたようだった。

二人は無言でタクシーに乗った。
僕がタクシードライバーに、エクソティカの行先を告げた瞬間、リンは明らかにホットした。
そしてサンキューと一言だけ、小声でぽつりと言った。

おそらくアリーナに、リンの過去に関する秘密があるのだろうことを悟った。
僕はそれ以降、アリーナの話題を一切ださなかった。
リンがかたくなに拒んだ理由も一切問わなかった。
リンみずからも、その理由を話すことはなかった。

僕はリンにいやな想いをさせたことを後悔していた。
ついつい隠し事を知りたい衝動にかられて、ひどいことをしてしまった。
エクソティカでは、リンに笑顔がもどるように、できるだけ明るくふるまった。

彼女の過去をほじくり返しても意味はないと自分に言い聞かせ、それからは、リンの過去については一切関知せず、気にすることをやめた。

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