フィリピーナと共に
ブログ構成がわかる目次はここから入れます
2009年04月16日

リン7 二人で香港へ

セブマクタン国際空港からセブパシフィックの香港直行便に乗った。
セブ発は17:00、香港着は19:20で、約2時間半のフライトであった。

リンは生まれて初めての海外旅行。
旅客機に乗るのも初体験だ。
少しははしゃいで口数も増えるかと思ったが、意外と静まりかえっている。
以前小型セスナを借りたときのアクロバット飛行で、具合が悪くなったことを思い出しているのだろうか。

マニラ発のセブパシフィックは、いつもディレイすることで有名だが、マクタン空港発のせいか、予定通りに離陸し、香港へも予定通りに到着した。

香港空港は、飛行機を降りてからイミグレーションまでの道のりが、長くかつ複雑だ。
エスカレータあり、電車ありで、いったいどこまで行くのだと思うくらい歩かなければならない。
ようやく辿り着いたイミグレーションも、折り返しながらの長蛇の列が待っている。
リンは僕から離れないように、文句ひとつ言わずについてくる。
新しい近代ビルの様相を呈した空港が珍しいのか、それとも初めての異国に緊張しているのか?

香港イミグレーションでは、別々のブースに入った。
僕はいつも通り、ただスタンプを押すだけで何の問題もなく通過した。

しかしリンが手間取っている。
リンが僕を指差し、係官と一緒にこちらを見ながら何か説明していた。

時間がかかったのは、香港に来た目的についてしつこく聞かれたからそうだ。
行先やスケジュールなども、聞かれたそうだ。
リンには、香港での詳細はあまり説明していなかった。
入国カードを記入する際に、宿泊ホテルの名前を教えただけだったような気がした。

最後は、あそこに見える日本人の恋人と一緒に、観光旅行へ来たと言って、係官に僕を見せることでイミグレーションを通過できたようだ。
やはり日本人というのは、一種のブランドなのだろうか?
自分たちは普段、どこの国に行こうともそんな面倒なことはないから、気づかないだけなのかもしれない。
自由に入れると思っていた香港でも、フィリピン人の入国となると、いろいろと面倒くさいことを聞かれるのだと知って、少し理不尽だと思った。

持っていた香港ドルで、九龍(カオルーン)までのエアポートエクスプレスのチケットを購入した。
エアポートエクスプレスは、日本でいう成田エクスプレスのような電車で、九龍までは20分たらずで移動できる。
静かで振動の少ない快適な電車だが、20分程度の乗車で、大人一人1500円ほどと少し高めである。
香港特有の細長い(細高い?)マンション群が窓の外を流れていき、あっという間に九龍に到着した。
車内で流れる中国語アナウンスが、香港の雰囲気をかもしだしていた。

九龍駅からはタクシーでシェラトンへ向かった。
シェラトンホテルは、九龍のゴールデンマイル先端、ビクトリアハーバー沿いに位置し、有名なペニンシュラホテルの隣にある。
タワー館ハーバービューの部屋を予約していたので、部屋に入った瞬間、有名なビクトリアハーバーのきらびやかな夜景がどーんと窓越しに、目に飛び込んできた。
部屋はタワー館の客室最上階にあり、タワー専用ラウンジが無料で利用できたり、ランドリーのディスカウントサービスがセットになっていた。
また、バスルームは全面がガラス張りになっており、バスからビクトリアハーバーの夜景が見える仕掛けになっている。
シャワー専用ルームがついたバスルームの壁と床はオール大理石で、バスとシャワールームの仕切りや洗面台も全てガラス製であるところが、豪華な雰囲気を演出していた。

それまでおとなしかったリンも、豪華な部屋には驚きを隠せず、そして大きな窓から見える香港夜景は、否が応でも香港旅行の雰囲気を盛り上げてくれた。

夜景を静かに眺めるリンは、その大きな目に高層ビルの明かりが映し出されるくらい、目を大きく見開いていた。
そしていつもより丁寧に化粧をしたリンの横顔は、長いまつ毛がつんと前にせり出し、彼女の美しく大きな目を強調していた。
僕は夜景と窓ガラスに反射する彼女の顔を、彼女が眺める先を探すように、交互に見つめていた。

体を包み込むような厚みのある心地よいベッドが、旅の疲れを癒してくれた。
下界の音が完全に遮断され静まりかえった部屋と、ライトを落とした部屋の窓に浮かび上がる宝石のような夜景。
香港夜景をバックに、シルエットになったリンの美しい体が、怪しげに揺れた。
二人はいつになく激しくしつこく愛し合った。
そしていつの間にか、お互いを包み込むようにしながら、深い眠りに落ちていった。

宜しけばポチっと↓
人気ブログランキングへ


posted at 17:00
Comment(0) | TrackBack(0)
カテゴリー:国際恋愛
エントリー:リン7 二人で香港へ

リン6 香港出発まで

僕がセブ滞在中、子供たちはいつもホテルの部屋に遊びに来ていた。
子供たちはホテルのプールが大好きだった。
リンと二人きりだとプールなど利用しないが、僕もその時ばかりは一緒にプールで楽しんだ。
その間、リンはいつも部屋でくつろいでいた。
リンはたまにプールサイドにドリンクを飲みにきても、すぐに暑がって部屋に引き返してしまった。
子どもたちは、リンがいようがいまいが関係ない。
こちらが疲れて根を上げるまで、プールで遊びたがっていた。

ショッピングもみんな一緒に行った。
子供たちに直接欲しいものを尋ねても、彼女たちは何も言わない。
そんな時は、リンが必要なものをいろいろ選んで買ってしまう。
大体は、生活必需品だ。
しかし靴屋さんに行って、好きなサンダルを一つずつ選びなさいと言った時には、それぞれ目を輝かせながら、真剣に選んでいた。

普段は欲しいものがあっても、おねだりをしない子供たちであったが、それは遠慮しているだけなのだとわかっていた。
フィリピン人は他人に図々しくすることを恥ずかしいと思う。
だから子供たちは遠慮がちであった。

しかし恋人のリンは違う。
恋人以上の関係になると、フィリピーナは男性が女性にいろいろな意味で優しくするのは、当然と考えるようになる。

一番上の女の子は12歳だ。
スーパーに行った時、海外ブランドのシャンプーを買ってもいいかと尋ねてきた。
年頃の女の子だけあって、少しおしゃれをしたいのだが、普段は高いシャンプーを買えない。
日本人の感覚ではさほど高くないシャンプーも、彼女にしてみると贅沢品なのだと、あらためて認識した。


リンは夜になると子供たちをアパートに帰した。
食事の後で、タクシーで送り届けた。
タクシーを降りると、みんなで声を揃えて
「ありがとう アンクル(おじさん)」
という。
それがかわいらしく、僕は彼女たちが、自分の本当の子供たちのように思えていた。

僕はリンに、ホテルでみんな一緒に寝ようと提案していたが、リンが大人の時間も大切だと言って、聞きいれてくれなかった。

リンが子供たちを残したアパートの戸締りを確認した後は、二人でお酒を飲みに行った。
行先は、リンの古巣であるエクソティカだった。
リンの元同僚は、相変わらずの調子で店で働いていた。
一足早く水商売の世界から足抜けをしたリンを、羨ましがっていた。
彼女たちとの会話は楽しかった。
昔日本で働いたことがある女性もいた。
片言の日本語で話始めるが、もう忘れたと英語に切り替わる。
そしてリンと話す時に、ビサイヤになる。
他にもタガログを話せるのだから、多言語の国の人は本当に器用なものだと感心する。

彼女たちが働いている姿を見ていると、確かにリンは幸運だったと思った。
騒音と照明に囲まれて毎日客の相手をし、時には外に連れ出されて体を求められる。
昼にプールで遊んだり、買い物を楽しんだりしている健康的な世界とは、あまりにも対照的で、僕の目にもバーは疲労しきった世界に映っていた。
働いている彼女たちも、どこか未来を諦めてしまったような、くたびれた雰囲気を感じてしまうのだった。

いよいと次の日は、香港へのフライトだ。
リンはホテルの部屋で旅の支度を整え、ベイリーエキサイティングだとはしゃいでいた。

宜しけばポチっと↓
人気ブログランキングへ


posted at 12:00
Comment(0) | TrackBack(0)
カテゴリー:国際恋愛
エントリー:リン6 香港出発まで
2009年04月15日

リン5 リンの母親

セブへ到着した翌日、さっそくリンの香港行きチケットを購入した。
ホテルは既に予約を入れていたので、エアチケットのみの購入だったが、ホテルの宿泊とセットになっているツアーチケットの方が安いことを知り、損をした気分になった。
その他にも、リンが香港へ持っていくバッグ、着ていく服、そして靴と、ショッピングに忙しかった。
リンは相変わらずはしゃいでいる。
そんな彼女を見て、僕も喜んでいた。

セブ2日目の夜、リンのお母さんと会う約束をしていた。
初めての面会であった。
レストランで食事をすることにしていたが、食べるものは現地のものがいいだろうと、ライトハウスに決めた。
子どもたちも一緒に食事をすることにしていた。

そして子供たちの父、リンのお兄さんもライトハウスに来ることになっていた。
もちろんお兄さんも初対面であった。
リンのお兄さんは僕と同じ年だった。
本来であればリンの父は既に亡くなっているで、リン父親代わりのような存在であるはずだったが、それまでリンからは、その兄についていい話を聞いていなかった。

恋人の親や兄弟に会うというのは緊張する。
リンと二人でライトハウスに早目に行き、二人でみんなの到着を待っていた。
オーダーもみんなが来るまで待ってもらっていた。
ライトハウスのドアが開き、見慣れた子供たちが入ってくる。
僕はすぐ椅子から立ち上がり、ライトハウスの入口でリンのお母さんを出迎え、挨拶をした。
そしてテーブルへエスコートした。
初老で顔や体がしわだらけの小柄な女性だった。

リンのお兄さんが僕とほぼ同年代だから、母親がある程度年配でもおかしくはなかった。
初めて会う母親やお兄さんであったが、すぐに打ち解けた雰囲気になった。
和やかな雰囲気の中で食事が進行した。

ライトハウスはセブシティーにある、現地料理で有名なレストランである。
蟹、魚、肉、野菜を使った、様々なネイティブフードを楽しむことができる。

リンのお母さんは、ほとんど英語を話せなかった。
だから込み入った話は、リンが通訳をしてくれた。
最初は、うちの娘と付き合って、将来どうするつもりだなどという話がでるかもしれないと警戒していたが、全くそんな気配はなく、ただただ食事と会話を楽しんで、閉会となった。
リンのお母さんは、それまで苦労して子供を育て、今はただ子供の幸せを願っているような、優しい人であった。
2時間の食事中、何一つ僕を困らせるような質問はしなかった。
僕が大皿に盛られた料理を配ろうとすると、リンに何をしている、それはあなたの仕事だといい、僕に一生懸命気を使ってくれていた。
最後は丁寧なお礼を言い残し、静かに店を去っていった。
本当に寡黙で優しい人だという印象であった。

この時のリンのお母さんに対する第一印象は、間違ってはいなかった。
初対面から1年後ほどであったと思う。
久しぶりにセブへ行った時のことであった。

陽射しが強く、暑い日だった。
おかあさんは久しぶりに会うと、いつも僕の腕に軽くさわり、にこやかな顔を挨拶をくれる。
まるで、久しぶりに息子に会う母親のように、顔をくしゃくしゃにして喜んでくれる。
リンのお姉さんや子供たちも一緒に、和食レストランへ行くためタクシーに乗り込んだ。
そのときお母さんが、タクシーのドアに指を挟み怪我をした。
お母さんは、悲鳴一つ上げずに黙っていたのだが、リンがお母さんの指の怪我に気づき騒ぎだした。
見ると指が変色し、かなり出血していた。
すぐに病院へ行こうとしたが、お母さんは、せっかくの食事だからと、最後まで首を縦に振らなかった。
結局途中で薬局へより、応急手当をして食事に行ったが、その後お姉さんに病院へ連れて行ったら、指の骨にひびが入っていた。
久しぶりの再開に水を差したらいけないという、お母さんの心づかいが痛いほど伝わった。
そんな我慢強く、寡黙で優しい人だった。


僕とリンは、ライトハウスから寄り道せずにホテルに戻った。
部屋に入って少したってからリンが言った。
お母さんがライトハウスに現れたとき、僕が椅子から立ち上がって、お母さんをテーブルにエスコートした行為が、本当に紳士でベイリーグッドだったと褒めてくれた。
リンはそれがとても嬉しかったと言ってくれた。

その夜、リンはいつもより優しかったような気がした。
リンの静かなふるまいは、いつも彼女を大人の女に感じさせた。
彼女の細い腕でやわらかく包まれると、ずっと年下の彼女が、年上の女性のように感じられた。
だから安らぎを感じた。
安心感があった。
そんなリンを心から愛していた。

宜しけばポチっと↓
人気ブログランキングへ


posted at 17:00
Comment(1) | TrackBack(0)
カテゴリー:国際恋愛
エントリー:リン5 リンの母親

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。