フィリピーナと共に
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国際恋愛:カテゴリの記事一覧です。

2009年07月10日

リン99 LynLooの謎

LynLooがなぜ、モナと自分しか知り得ない情報を持っていたのか。
そのせいで、僕は随分混乱した。
そのメールをもらって読んだときに、なぜ彼女がそれを知っているのか不思議で仕方がなかった。
犯人はモナか、もしくは本当にモナの身近にいる意外な人物ではないかと思うこともあった。


彼女が一連のメールで発信した情報は、モナの娘の本当の父親の名前、そして二人が横浜で宿泊したホテル、彼女が倒れて病院に行き、母親が僕にメールをしたこと。
それ以外にもLynLooが伝えてきた情報には、モナの生い立ちのようなものもあった。

それらを一度に取れる情報源は何かを僕は考えていた。
僕とモナの過去に交わしたメールをひっくり返してみたが、ホテルの名前もベルの父親の名前も見当たらなかった。
それらをメールでやり取りした記憶も一切なかった。
ただしモナの生い立ちから現在に至るものについては、モナが自叙伝のようにしてまとめて書いてくれたものが、自分のヤフーメールに入っていた。
それには彼女が生まれた時の家庭環境、父親の仕事、母親の愛情、学校での出来事、大学でのベルの父親との出会い、別れ、劇団の入団、親友との出会い、出産、就職、バー勤め、来日、僕との出会いと、彼女の全てが偽りなく書かれている超大作である。
それを読めば、彼女のほとんど全てを知ることができた。

メール以外に何があるのだろうと思案しながらふと気付いた。
それはモナが帰国する前に僕に置いていった日記だった。
その日記を読み直してみると、宿泊したホテルの名前が全て記載されていて、しかもベルの本当の父親の名前が一度だけ登場していた。
それはモナが僕をひどい恋人だとけなしている箇所で、まるでベルの父親と同じではないかという下りに彼の実名があった。
二人が宿泊したホテルについては、この日記を読む以外、他人がそれを知る方法はないはずだった。
そう考えると、その日記が怪しいはずである。
日記はビジネス用の小さな手帳に書かれたもので、持ち運ぶのは簡単である。

そして次はモナが倒れて病院に運ばれた話である。
これは日記には書かれているはずもなく、それを知ることができるのは僕のchikkaのメッセージ覗ける人間に限られる。
モナの母親から届いたメッセージを読めば、大体のあらすじをあたかも見ていたように書くことができるはずだった。
それはLynLooがリンであれば、僕のIDとパスワードを何かで知っていた可能性があるので、モナがしたようにリンもそこへアクセスし情報を入手したのかもしれなかった。

日記以外はインターネット経由で情報を入手しようと思えばできるが、日記の情報をどのように得たのかは、やはり謎として残った。

当時僕はモナに連絡を取り、僕に残した日記を見ることができた人間が誰かいないかを尋ねた。
彼女は同じ店で働くフィリピーナ5人と横浜で共同生活をしていた。
大きなフロアーが簡単な壁で仕切られた簡易部屋で、お互いの部屋には自由に出入りができる作りになっているた。
エレナもそこに一緒に住んでいた。
モナは一人一人を頭に思い浮かべながら考えたが、良くわからないと言った。
見ようと思えばみんな見ることができるが、人の日記は見ないだろうというのが彼女の結論だった。
この件は未解決のまま、僕もいつの間にか忘れてしまっていた。


しかし半年以上経過した後に、日記の謎について偶然一つの可能性が浮かび上がった。
それはあることをきっかけに、まるで点と点がつながり線になっていくように、フィリピーナ同士のつながり関係が見えてきたのである。

僕はフレンドスターというサイトにメンバー登録をしており、そこに自分のページを持っている。
誰かが自分のページを見にきた場合、僕はそれを知ることができる仕組みになっていた。
自分のページには、友達つながりで見にくる場合もあったが、全く関係のないネットワーク検索で見にくる人もいる。
よって自分の全く知らない人物が自分のページにくることもあった。
モナはよく、僕のページを誰が覗いたのかチェックをしていた。
その中でモナは、自分が良く知っている意外な人物を僕のページ閲覧者の中に発見した。

それはモナが横浜で一緒に働いていたジョアンという女性で、彼女はモナと共同生活をしていた一人だった。
ジョアンは、モナがタレント時代に勤めていた前の店でも一緒の女性だった。
当時モナはジョアンと仲の良いグループではなかったという話であった。
なぜ彼女が僕のページを閲覧していたのか、モナは不思議だった。

それをモナに指摘され自分も確認をしてみたところ、ジョアンは自分も知っている女性だった。
(フレンドスターは大体が自分の写真をページに載せている)
知っているといっても、モナの店で会ったわけではない。
正確にはモナの店で見かけていたはずだったが、僕はそれを全く覚えていなかった。
彼女と会った場所は、あるカラオケボックスである。

ある日友人のフィリピーナからカラオケに誘われて、その時出向いたカラオケボックスにフィリピーナが数人いたが、そのうちの一人がジョアンだった。
僕をカラオケに誘ったフィリピーナは、モナがメールを配信した日本在住フィリピーナ4人のうちの一人である。
ジョアンはその当時友人フィリピーナの店で働いていたはずなので、横浜からその店に移ったということになる。
僕がジョアンとカラオケボックスで会ったときに、彼女は僕の顔を覚えていた可能性があるにも関わらず、お互い初めましてと挨拶をした。
彼女は僕のことを、横浜の店やモナが最初に勤めていた店で見ているはずだった。

その彼女が、フレンドスターの僕のページを閲覧している。
フレンドスターの会員は百万人近くいるはずで、メールアドレスを使わないと検索不可能である。
そんな中で、偶然自分にたどり着く可能性は極めて小さい。

何かきな臭い匂い繋がりを感じた。
仮に彼女がモナの日記を読んでいて、その内容を友人フィリピーナに伝え、それがリンに伝わったと考えれば、日記の内容はリンに伝わる。
リンは僕とコミュニケーションがあるその友人フィリピーナと、以前からコンタクトを取っていた可能性があるということだ。

やはりリンも僕のメールやchikkaをモニターしていたのかもしれない。
もしモニターしていたとすれば、僕が友達だと思っていたそのフィリピーナに連絡を取ることが可能だし、モナが働いていた店の場所や名前までわかってしまう。

そう考えると、突然カラオケに誘われたのも不自然だったような気がしてきた。
そんなことは1年に1度あるかどうかである。
そしてその場にジョアンがいたことも、偶然ではないような気がしてきた。
ジョアンは興味本位で自分を観察しにきたのではないだろうか。

フィリピーナの情報網は案外ばかにできない。
エレナの恋人だった加藤さんが、他の店で遊び歩いていたことがたちどころにばれてしまうくらいである。
リンの呼びかけに対して、その協力者は単に面白がって付き合ったかもしれないし、何か別の思惑があったのかもしれないが、そこからジョアンに繋がり日記に辿り着いた可能性があった。
何か霧が晴れていくようなすっきり感があった。

実はもう一点気になっていることがあった。
それはリンはパソコンを持っていないはずだったが、LynLooのメールは自分のパソコンから送信しているような感じだったことだ。
わざわざインターネットカフェに出向いて、毎日僕にメールを送っていたとは思えなかった。

そこで僕がリンのメールアドレスでフレンドスターを検索してみると、拍子抜けするほど簡単にリンのページに辿り着いた。
僕は偽名でフレンドスターに新しく会員登録し、その名前を使ってリンが友達に残したコメントをつぶさに拾い上げてみた。
全てを覗けるわけでなかったが、リンも含めて彼女の友達はページをオープンにしている人が多かった。
調べた結果、「PCを購入したから、これからはいつでもメールやコメントのチェックができるようになった」というリンのメッセージを一つだけ発見した。
やはりリンはパソコンを購入していた。

リンのページに載っている写真の数々も見た。
彼女の母親、姪たち、そして購入した家と、彼女の生活の様子を伺わせる情報がそこにはふんだんにあった。

それから僕は、その偽名で度々リンのページを訪れては彼女の様子をチェックするようになった。
度々訪れていたので、リンから僕の偽名ページにコメントが入り、僕も差しさわりのないコメントをリンに返した。

僕はLynLooとの会話を経て、犯人探しはもうどうでもよくなっていた。
それ以上積極的に詮索する気はおきなかった。
彼女のページをチェックしていたのは、ただ単にリンとその家族の生活が気になっていたからである。
あくまでもこっそりと様子を伺うだけにしようと思っていた。

ちびっ子だった姪たちは年頃になり、上の子はフレンドスターに自分のページを持つようになっていた。
ふとしたことからこれらのページに辿り着いたのは、思わぬ副産物だった。

僕は写真を見ながら安心していた。
そこには幸せそうな彼女の家族の姿が写っていた。
そこにはお金に困っている話は何もでてこない。
あるのは笑いに満ちた彼女達の顔だけである。

意外だったのは、かつてみんなで行ったボホール旅行の写真もリンのページに載っていたことだった。
彼女もあの思い出を大切にしてくれていたことを感じ、少し心が痛んだ。


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カテゴリー:国際恋愛
エントリー:リン99 LynLooの謎
2009年07月09日

リン98 怪メール2

僕が怪メールを無視し続けることによって、犯人も手を変えてきた。
ある日不思議な内容のメールが僕に届いた。

自分はモナのことをよく知っている人物だという内容だった。
その証拠に、モナの子供の父親の名前や、モナが僕との喧嘩で病院に運ばれ、彼女の母親が僕にメールをしてきたことなどが書かれていた。
自分はその場に居合わせたが、彼女たちは笑いながら、モナが倒れたというメールを僕に打っていたと書いてあった。
そんなことを知っているのは、彼女の身近な人間だけであるから、それが証拠だと言っていた。
そしてそんな人間たちとは、今後一切関わりを持たない方が良いと言ってきた。

また別のメールには、僕とモナがよく宿泊した横浜のパンパシフィックホテルのことが書かれていた。
他に泊まったホテルのことも書かれており、わたしはあなたに関することは全て知っているといった内容だった。
それは僕とモナしか知りえない話であり、ますます僕の頭は混乱した。

一度は怪メールの完全無視を決め込んだのに、再び僕はその謎解きに引き込まれていった。

また別の日には新宿のマリーに、彼とモナが一緒になることだけは許せない、モナは最低の女だから、彼が可愛そうだ。彼には幸せになって欲しい、もしあなたも同じ想いだったら、二人が一緒になることを阻止するために、私を手助けして欲しいといったメールが届いた。

その文面から察するに、犯人はフィリピンにいる。
そしてモナを敵対視している。
最初の頃は僕を獣扱いしていたが、それが幸せになって欲しいに変わっている。

そして意外のことがもう一つ判明した。
この怪メールは、この5月に始まったものではなく、実は前の年の暮れあたりからあったという事実だった。
マリーが思い出したように僕に教えてくれたのだが、内容は僕とモナが12月に結婚をするという内容だったらしい。
しかし二人はその約束も予定もなかったので、当然12月に結婚などはしなかった。
すると次には、2月に二人が結婚するという内容で、再度メールが来たということだった。
彼女はわけのわからないメールに、無視を決め込みそのうち忘れていたそうだ。

その話を聞いたときに、怪メールの犯人は色々と知っている振りをしているが、実は真実をあまり知らない人間ではないかという気がしてきた。
怪メールの送り主がマリーにそのようなメールを送った理由は、おそらく僕がモナと付き合いながら、マリーとも深い関係になっていると勘違いしたのである。

メール上で見ると、僕とマリーのやり取りには際どい内容のものがあった。
彼女とは完全に友達同士でそれ以上発展することなどあり得ないという安心感があったので、逆に露骨なジョークを含んだ会話が多かった。
それはお互いがふざけ合ってそうしていただけで、それが僕とマリーのコミュニケーションのスタイルだった。
犯人はそんな親しげな二人のメールのやり取りを見て、そのように誤解したに違いない。
彼女は僕とマリーの関係を解消させるべく、そのようなメールをマリーに送った。
そしてその後にそれが勘違いだったことに気付き、今度は彼女に協力を要請することにしたと思われる。


僕には何となく怪しい人物が頭の中に浮かび上がっていたが、まだわからないことがあった。
それは僕とモナしか知り得えないことを、なぜ犯人が知っているかであった。
確たる証拠がなければ、本人に切り込んでも無駄であるし、嫌な想いをして終わるだけだであった。
とりあえず十分な収穫の手ごたえを感じたまま、怪メールを放っておくことにした。

怪メールは依然と続いた。
彼女は僕の周囲にいるフィリピーナ達が相手をしてくれないと分かったのか、僕に集中してメールを送り始めた。

彼女は僕のchikkaアドレスに、また初めて見る電話番号でメールを寄こし始めた。
僕はchikkaの上で彼女にMiss mysteriousと名づけ、彼女と対話をしてみることにした。

彼女の最初の文句は、必ずHi Mr Play Boy! How are you? What are you doing now? (元気?今何をしているの?)であった。
それに対して僕は、Hi Miss mysterious!で返した。
そのやり取りが確立すると、僕はその後にI missed you.と、連絡を待っていたよという意味を込めて付け加えるようにしていた。

僕はたびたび彼女に、なぜ怪メールを送ったのかを尋ねたが、彼女はそれに対して、僕には幸せになってもらいたいからだと答えた。
モナは悪女で、日本では自分の体と引き換えに金を稼いでいたし、今度は僕を彼女のbankにしようとしている、それを僕に気付いて欲しかったと続けた。
そして、昔の僕は輝いていたが、今はそれがない、僕にはまた昔のように輝ける男になって欲しいと、まるでモナと付き合った僕が堕落したかのような言われ方をした。
彼女は以前から僕を知っている人間だということを、その内容は示唆していた。

僕がモナに対する誹謗中傷を否定すると、彼女はまだ気付かないのかと言わんばかりに、あなたはいつからそんなに愚かな人間に成り下がったのかという言葉を残してメールのやり取りがとまってしまう。

僕はいつしか、リンと話をしているつもりで、Miss mysteriousと対話していた。
そう思うと、彼女がどんな悪態をついても腹が立たなかった。
もしそれがリンだとしたら、僕にはやはり彼女の気持ちが分かるからであった。

一度Miss mysteriousに、あなたはリンでしょと聞いてみたことがある。
彼女は慌てる様子もなく、時間をかけずに、それはどうかな?あなたはそれを確信しているかと聞いてきた。
僕が確信していると答えると、彼女はなぜ確信しているのかを聞いてきた。
それは僕の直感だと答えたら、それは当たっているかもしれないし、当たっていないかもしれないねと彼女ははぐらかした。
彼女はいつも慌てず、常に一定のリズムを刻むかのように冷静に淡々と対話を進めた。

実際には話をしているうちに、彼女はもしかしてモナかと思うときもあった。
それを匂わすような話を時々挟み込んでくるのである。
それでも僕は、彼女がリンであると信じて彼女のメールに付き合っていた。
リンのつもりで会話を続けていると、やはりしっくりするのだった。
彼女とは普段の自分の生活のことや、仕事の状況など、現在の自分の状況についても話をした。
さすがに彼女は用心深く、自分のことについて話すことはなかったが、僕はそんなことはどうでも良いと思い始めていた。
彼女がこの対話に、満足しているよう思えたからだった。

彼女からのチャットメールは毎日届いた。
それは夜の8時と、時間もいつも正確だった。
僕が彼女の最初のメッセージに返事を出せない時は、彼女はしつこくそれを催促することもなく、翌日また元気か、何をしているとメールが来る。
そして前日のノーレスポンスについては、何かあったのかとさりげなく尋ねてくるのだ。
そのように対話を続けていると、彼女の僕に対する暖かさを感じる時があった。

僕はわざとモナの話題を出すこともあった。
あなたはモナのことを悪く言うが、彼女はそんなに悪い女ではない。
むしろ純粋な女だと褒めたりする。
すると彼女の機嫌が悪くなり、いつもよりも短い時間でメールのやり取りが終了した。
そのような短気なところは、まさしくリンの特徴であった。

そしてある時、彼女は突然自分のニックネームで僕のchikkaに入ってきた。
そのニックネームは、Lyn Loo(リンルー)であった。
あまりにも分かりやすいネームに、彼女は実はリンではなかった?と疑いもした。
随分と分かりやすいニックネームにしたねと僕は言った。
彼女はその名前に、特に意味はないと言った。
しかし僕は、次第にそのニックネームに彼女の何かの願いが込められているような気がしていた。
僕は彼女がLynLooを名乗ってからも、心の中ではリンだと思いながら、表面上は相手をLynLooとして対話を続けた。

その中で僕は、過去にリンと付き合って楽しかった思い出や、辛い思い出を彼女に教えるように伝えていった。
彼女はよほど用心しているらしく、それらの話に自分がリンであることがばれないように上手に反応した。
彼女は僕がLynLooをリンだと分かっていて相手をしていることに気づいているはずだった。
それを承知しながら彼女は他人に成りすまし、僕との会話を続けているのだ。
僕も彼女がそのスタイルでの対話を望んでいることを悟り、そのまま対話を続けていた。

僕は今度は、少しずつ自分の気持ちを打ち明けていった。
どれだけリンを愛していたのか、リンと過ごした日々がどれほど楽しかったか、そこにどんな葛藤があったのか、そして彼女に対する気持ちがどのように変化していったのか、そのきっかけや理由はなんだったのか、そこでのモナの存在が僕にどんな影響を与えたのか、会社での僕の身辺にどんなことが起こり、どのように現在に至ったのか、それらを時間をかけて、丁寧に小出しにしながら彼女に伝えていった。
相手がLynLooだと、僕も素直で正直な気持ちをそのまま言葉にすることができた。

彼女はそれらの一つ一つに、大げさでもなく、また無視をするでもない、さりげない反応を返しながら、then(それで?)と次の話を促してくるのだった。
もし彼女が教養も心もない女であればそのような話は無駄に終わるが、僕の知っているリンであれば、きっと彼女の心に僕の話が響くはずだと考えるようになっていた。

僕は話の区切りが付くたびに、こんな僕は馬鹿だったろうかと尋ねてみた。
彼女の返事は、人間としての暖かい優しい行動で、決して馬鹿ではないと返してくれた。
時には僕の心の弱さを指摘されたり、モナに関しては彼女のやり方が上手だという皮肉を含んだ話もあったが、彼女の言い方にとげとげしさは感じられなかった。

僕はこの話を、LynLooと2ヶ月間続けた。
そして一通り話が済んでから、僕の恋人だったリンは、幸せだったろうかと尋ねてみた。彼女は十分幸せを感じていたはずだし、それで幸せを感じない女は愚かな女だと彼女は答えてくれた。
僕はありがとう、そう言ってもらえてとても嬉しいと言った。

彼女は僕に、これからどうするのかを尋ねてきた。
僕は正直にわからないとだけ答えた。
本当はこのやり取りを通してリンのことを愛しく思っていたし、モナのことも心配で恋しかったが、それは言わなかった。

LynLooとの会話はひとまずそれで終了した。
あれほど躍起になって怪メールの犯人を知りたがっていたが、僕はそれで満足していた。
LynLooが誰なのかをはっきりさせる意味は、もうなくなっていたような気がした。
それから怪メールは、一時ぱたりと姿を消した。
彼女が再び現れるのは、それから半年後である。

それでもこの怪メールには、まだまだ多くの謎が残されている。
僕はLynLooと会話を続けながらも、謎を一つ一つ解き明かそうとしていた。
全てがわかったわけではないが、時間が経過していく中である人物がちょっとしたミスをしたところから、そのトリックがほころびを見せ始めた。

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エントリー:リン98 怪メール2
2009年07月08日

リン97 怪メール

翌日冷静になったモナからなんども電話やメールがきたが、僕は彼女と話をする気分ではなかった。
まして新しいビッグプロジェクトがスタートしたばかりである。
そんなことにうつつを抜かしている場合ではなかった。
仕事の進捗状況は週末のプロジェクト定例会議で報告しなければならない。

しかし早速リンからメッセージが入った。
リンからモナに苦情の電話を入れ、彼女と話をした内容が書かれていた。
リン曰く、モナはあなたのことをひどい人間で騙されたと話していた。
だからあなたも彼とはきっぱりと縁を切ったほうが良いと薦められた。
喧嘩になった際には、私があなたのお金だけが目当てであるように言われた。
モナは数々の屈辱的な暴言を私に吐いた。
モナは子供を使って上手にあなたを取り込んだが、これで彼女の本性が分かったと思う。
モナは以前からドラマを作って自ら演じているし、これもドラマなのだからあなたも目を覚ましなさい。
自分はモナが何を言っても信じてない。
自分の目で長い間見てきたあなたを信じていると締めくくられていた。
そのように出られると、僕も何と答えて良いのかわからなくなり、とりあえず返事を保留した。

間髪入れずにモナからもメッセージが入った。
モナ曰く、リンとひどい口論になった。
口論の際、彼女の口調はとても悪かった。お互いに相手を罵り合う会話になった。
彼女は怒りに任せ私を侮辱していた。
私がマニラや日本で体を使い男を騙していたし、私のあなたに対する気持ちも嘘だと言われた。
その上子供を使いあなたを上手に取り込むのはやめろとも言われた。
リンはあなたにも同じことを言うのではないかと思うが、そんなことは決してないことをあなたが一番良く知っていると思う。
あなたがリンの言葉場を信じることがないように祈っている。
リンはあなたと結婚の約束をしていると話していたが、私はそんなことは信じていない。
それはリンの嘘だということは私は分かっている。
私は本当に悪いことをしたと後悔している。本当にごめんなさい。あなたが許してくれるのを待っている。

二人の話は基本的に食い違っていた。
モナが僕のことを罵倒し、リンにも関わらないよう忠告したとリンは話しているが、モナ本人は僕を待っていると言っている。
リンと結婚の約束をした覚えもなかった。
いや、もしかしたらそれは遠い昔にさりげなく交わした話のことを言っているのかもしれない。
どこまでが本当のことで、どこからが嘘なのかさっぱり分からなくなっていたが、売り言葉に買い言葉のひどい口論になったことだけはわかった。
とりあえずモナに対しても返事は保留にした。

いずれにしても、二人が唾を飛ばしながら恐ろしいほどの激論を交わした様子が容易に想像できた。
本気で怒った時のリンは、普段の彼女の姿からは全く想像できないような凄まじい気迫がみなぎることを僕は知っていた。
モナがリンの言葉がとても悪いと書いていたあの内容は、想像できたし本当のことだろう。
そのリンの気迫と昨夜のモナが僕に見せたあの激しい怒りとがぶつかったことを想像すると、まさに震え上がらんばかりであった。
もはやこれはどちらかが破滅するまで続く核戦争のようなもので、無責任にも僕は、一刻も早くシェルターに避難したい気分になっていた。
お互いがもう僕のことは要らないから引き取って欲しいと、譲り合いの喧嘩をしてくれた方がよほど僕には気が楽だった。

そしてその日は、メールが送りつけられた3人のフィリピーナからも相次いで電話が入った。
僕はそのたびに、騒がせて悪かったと簡単に事情を説明し謝罪した。
しかし新宿のマリーは、自分はメールを送りつけた彼女の気持ちが理解できると話し始めた。
それはあなたを独り占めしたかったからで、悪気はないはずだというものだった。
「あなたもフィリピーナが嫉妬深いことくらい、よくわかってるでしょう。彼女がそんなことをしたのは、彼女があなたのことを愛しているからよ。彼女にそんなことをさせたのは、あなたにも責任があるんじゃないの?」
「おっしゃる通りですが、あなたも彼女が爆発した原因の一つですよ、マリーさん」
「ははは、そうでした」
痛いところをついてくる女だったが、人生経験が豊富な大人の彼女らしい意見であった。
僕もそれは分かっていたが、しかし素直にそれを認める気になれないだけだった。

現実に煩わしいメールや電話がいくつも入ってきて、仕事が手に付かない状態になっている。
まるでお祭り騒ぎではないかと、次第に気分が悪くなっていた。
僕は沈黙を守り続けるべきだったのかもしれなかったが、ついついモナにメールを出した。
何かをはっきりとさせなければ、仕事が手に付かないような気がしたからだった。

僕はその時のイライラを次のようなメールでモナにぶつけた。
僕にはメールも電話もしないで欲しい。
今はあなたと話をする気分ではない。
今後も以前のような関係に戻れるか、自信がない。
色々な人から連絡がきて、仕事が手に付かない状況になっている。

そんな文章を彼女の携帯にポイッと投げて、僕は携帯を持たずに部屋を飛び出した。
駅ビルにある書店で本を買って、同じビルにあるコーヒーショップで頭を冷やしていた。

部屋に戻ってみると、モナの母親から再びメールが入っていた。
そのメールには、彼女がまた倒れて病院に運ばれたことが書かれていた。
そして、どうか彼女の元へ戻って欲しいと書かれていた。
娘はあなたがいないと、きっと生きていけないと続いていた。
最後に、自分が僕にそのようなメールを出したことは、モナには内緒にして欲しいとあった。

僕は深い自責の念に襲われた。
これでもはや彼女と元には戻れないと思った。
いくら彼女の母親が元へ戻って欲しいと言ってきても、それが許される状況ではない。
僕は彼女の元へ戻れるかどうか約束はできない、彼女の体調に関しては心配しているので、それだけは伝えて欲しい、心配をかけてごめんなさいとだけ返事を返した。
そして夕方には、モナは幸いにも病院から家に帰ることができたという知らせをもらった。

そこへ再び新宿のマリーから電話が入った。
変なメールが届いているという話に、またかという想いがよぎった。
差出人は知らない電話番号で、僕のことをひどい人間であり、多くのフィリピーナを毒牙にかけている獣(けだもの)だと罵っているらしかった。
また獣呼ばわりされ、気持ちが一気に沈みこんだ。
その電話番号は、僕も知らない番号だった。もちろん名前は書いていないらしい。
「あなた、なにした?」
「神様を怒らせちゃったみたいだなぁ・・はぁ」

挙句の果てにケイちゃんからも変なメールが来たと電話が入った。
怪メールが出回り始めたのである。
一瞬モナを疑ったが、さすがにモナはそこまで馬鹿ではないと思い直した。

そこで僕は差出人のフィリピンの番号へ電話をしてみた。
呼び出しは鳴るものの、何度電話してみても誰も返事をしなかった。
しつこく電話をかけ続けていたら、とうとう電話の電源を切られてしまった。

リンとモナも変なメールを受け取ったと、それを転送してくれた。
どうやら関係者には全て怪メールが届いているらしかった。
そしてこの怪メールは不定期ながらしばらく続いた。
いつの間にか僕は、この怪メールの差出人が誰かを知ることに躍起になっていた。

怪メールは僕自身にも届いた。
それは差出人は不明で、フィリピンの電話番号からのメールだった。
そのメールの内容は、他の人たちに届いた内容と似たりよったりで、やはり僕を糾弾するものであった。

しかしそのメールは、SMSではなく僕の携帯アドレスに届いたeメールだった。
メールの差出人を良く見ると、フィリピンの携帯番号の後にドメインが続き、それがKDDIの国際カードを使っている出しているものだということに気付いた。
更には、それがフィリピンのサーバーを経由して届いたものらしいことが分かったが、それ以上は追跡不能だった。

仕組みはさっぱり見当が付かなかったが、僕はカマをかけてみようかと思い、
「あなたがKDDIの国際カードを使っていることは分かっている。発信基地のエリアは現在調査中で、それが分かればあなたが誰なのか、判明する」
と返事を出してみた。
それに対して「おー、あなたはなんて賢いの!私がだれかわかるのを楽しみしている」という挑発的な返事が返ってきた。
一瞬この挑発的な物言いに、リンの匂いを嗅ぎ取ったことを今でも覚えている。

文章はいずれも随分と綺麗な英語であった。
英語が上手だったのは、リン、モナ、マリーの3人だけだった。
マリーは普段の会話も英語と日本語の見事なちゃんぽんで、聞いていて不思議な感じがする。
メールにはショート文字も使われていたので、そこに癖はないかと分析してみたが、よくわからなかった。

その陰湿なメールの差出人がわかった場合、僕はその犯人と今後一切連絡を取り合うのはやめようと思っていた。
だからどうしても、その差出人が誰なのかを知りたかった。
しかし相手はなかなか尻尾をつかませることはしなかった。

僕はモナとリン二人に、個別にこのメールについて話をした。
僕は二人に対して、それぞれ僕はあなたを疑っているがどうかと尋ねた。
リンは私はそんな馬鹿な真似はしない、第一そんなにたくさん電話番号を持っていないと一蹴された。
それだってお金がかかるが、今の私はそんなに余裕がないと嫌味も言われた。
しかも私を疑っているのかと怒っている。

モナは、最初に馬鹿なメールを出して反省しているから、アコはそんなこと絶対にしないと言っていた。そして不思議なメールだと話始めるのである。
話をする限り、どちらも怪しくはなかった。

リンは、KDDIカードなどとは無縁の人間である。
もしくは友達の誰かと結託しているのかもしれなかったが、いずれにしても憶測の範囲を出なかった。
もし敢えてこちらをかく乱させるためにそのようなものを使ったとすれば、それはかなりの知能犯だと言わざるを得ない。
またモナは見かけによらず策士であったから、意外と何かを意図してメールを送っているのかもしれないと思った。
こうなると、誰も信用ができなくなっていた。

相手は時々電話番号を変えてメールを出してきた。
しかも時にはSMSであったり、時にはKDDIのカードを使ったり、僕に対する配信先も携帯アドレス、携帯番号、chiikka、ヤフーアドレスと、細かく変えてくるのである。
配信される側の人物は、やはり様々なフィリピーナ達だったが、内容によって配信相手を変えているようだった。
一ヶ月間、僕はそのメールに翻弄され続け、結局ギブアップをすることにした。
深く考えすぎるとノイローゼになりそうだった。

僕の結論は、リンもモナも今後一切連絡を絶ち、そして怪メールは一切無視をするというものだった。
早くそれらから開放されて、仕事に集中したかった。
僕はそれを二人に伝えた。
事実上のセパレート宣言だと言った。
理由は犯人がわからないから、もう誰とも親しく付き合うのはやめるというものだった。
これがきっかけで何かが進展するかもしれないという期待感もあったが、ふたりに対するセパレート宣言は決してフェイクではなかった。

リンは信じてもらえなかったのは残念だと言ったが、それが僕のチョイスであれば仕方がないと言った。
リンはあっさりと僕の話を受け入れたが、後日リンが僕に教えてくれたのは、僕が何をして何を言っても、最後には僕がリンの元へ必ず戻ると信じていたらしい。

モナは泣きながら考え直して欲しいと言ってきたが、もともとあなたが出したメールが元でこんなことが起きたのだから、諦めて欲しいとねじ伏せるように承服させた。
モナはもともと僕と別れるつもりなどはなく、あのメールで僕にリアライズ(わかる・気が付く)して欲しかっただけだと言った。
最後はアコが悪かったといって、僕の気が変わるのをずっと待っているとそれを渋々受け入れた。

モナとの別れは2度目であった。
僕はこの時、怪メールの犯人がモナではないと分かっても、二度とモナと復縁することはないだろうと思っていた。
彼女を2度も不幸のどん底に陥れた人間が、どんな顔をして彼女や彼女の周囲の人間に会えば良いのかと考えていた。
それだけの覚悟を持っての話であった。

僕がこの結論を出し怪メールを完全に無視するようになってから、怪メールも次第にテンションが下がってきた。
しかし怪メールは、その後形を変えながら1年近くも続くのである。

その様子を見ながら、怪メールの犯人がおぼろげながら見えてくるのである。
それは今でも明確にはなっていないが、様々な状況からおおよそ犯人の特定ができている。
それは犯人の意外な行動から見えてきた。

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エントリー:リン97 怪メール

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