フィリピーナと共に
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国際恋愛:カテゴリの記事一覧です。

2009年07月07日

リン96 モナの暴走

昨年2008年5月のゴールデンウィークが明けたばかりの頃である。
僕は大口の仕事が決まり、にわかに忙しくなっている時でもあった。

変なメールを受け取ったと、知り合いのフィリピーナから電話があった。
最初は「あ、そう」という感じであったが、メールの送り主がモナという名前だと聞いた瞬間、僕は電話口で身を乗り出した。

「それ何のメール?」
「イカウ(あなた)と女の写真が付いてるよ。アコはMarkの恋人だって書いてある。」
彼女は間の抜けたようなのんびりとした口調でメールの内容を告げてくる。
「え?それどんな写真?」
「二人がどこかの部屋の中でキスする写真。あとは女がイカウのバックからイカウに抱きついている写真。黒い服を着た女よ。ねぇ、このメール何?彼女はイカウの恋人なの?」
「オオ、それはたぶん僕の恋人だな。でもなんでそんなメール送ったかな。僕はあなたのメールアドレスなんて、彼女に教えてないよ。それじゃまた連絡する。教えてくれてありがとう。あ、そうそう、そのメールを僕に転送できる?僕もそれ確認したいから。」

この突拍子もない電話連絡から、事件が幕を開けた。

モナが送りつけたメールが転送されてきた。
そのメールに添付された写真は、パンパシフィックの部屋でモナが二人の思い出にキスしている写真を撮りたいと言い出し、僕がそれを拒否している瞬間の写真と、その後に彼女が僕の背後から抱きついている写真の2枚であった。
そして、「彼は以下の5人と親しいようであるが、彼には私という恋人がいるから気を付けなさい」と書かれており、5人の名前とご丁寧にメールアドレスまで載っていた。

僕はすぐにモナと連絡を取った。
彼女に確認をすると、確かにメールを送ったとすぐに認めた。
しかも送った先は一人ではなく、リンを含めて5人に送ったと僕が詰問する前に説明してきた。
モナは悪びれる様子などなく、むしろ堂々とそれを告げてきた。

モナがメールを送った相手は、いずれも僕がメールでコミュニケーションのある日本在住のフィリピーナであり、唯一フィリピン在住がリンだった。

モナは自分という恋人がいながら、僕が多方面の女性とコミュニケーションがあることに憤慨しており、そのメールは僕に対するお仕置きだと言わんばかりであった。
僕がなぜそんなことをしたんだと怒ったために、モナの態度は次第にエスカレートしていった。
彼女がそんなことをした理由は、僕に自分のしていることを気付いて欲しかっただけだと言った。
僕にはモナが言うほど悪いことをしているという認識はなかったが、モナは既に聞く耳を持ってはいなかった。

この件で、モナが自分のメールを盗み読みしていたことを初めて知った。
以前僕の携帯からリンの電話番号を盗み取り、彼女へ電話をしただろうと僕が追及したら、彼女はあっさりとそれも認めた。
しかしモナとリンが話をしたことは二人の間で秘密になっていたはずなのに、僕がそれを知っていたことが分かったモナは、そのことに対しても怒りをあらわにした。

それまで二人が喧嘩をするときは、僕が強気にでるといつも矛先を納めるモナであったが、その日だけは違った。
初めて遭遇した、彼女の激しい一面だった。
以前彼女の日記を読み、そんな一面があるかもしれないと思ったことが脳裏に浮かんでいた。

モナは、なぜそんなメールを送ったのかという僕の再質問には答えずに、なぜそんな女たちと連絡を取り合っているのかを逆に責めてきた。
リンのことは知っているが、それ以外の女は聞いたこともないと怒っている。
しかし僕は、メールのやり取りを見たならば、それがただの友達付き合いだということがわかるはずだと応戦した。
しかし彼女は、なぜそのような女たちと友達付き合いをする必要があるのかと更に突っ込んできた。

もはや彼女はどうにも止まらない暴走列車だった。
僕はひるんだ様子を見せないようにしながらも、確かにそれは理解できるなどと思った。
僕にはまだ、そのくらい気持ちに余裕があった。

彼女達とのメール上の付き合いは、僕が積極的にしていたことではなかった。
彼女たちが僕にメールをよこすから、それに返事を出しているだけである。
それはメールを見ているモナにもわかるはずであったが、なぜ返事を出す必要があるのかと切り返された。
モナの言い方には、長年溶岩を溜め込んだ火山が、恐ろしいほどの地鳴りを伴い一気に火柱を噴出すような勢いがあった。

彼女の文句の趣旨は、僕がそれらの女性になぜエンターテイン(楽しませる、愉快にさせる)するのか、それは何か下心があるからだろうということであった。
そのような憶測で責められると、僕には全く下心がなかったと言っても彼女が信じなければ話は収まらない。
その瞬間に、二人の喧嘩は僕が謝る以外、着地点を失ったと感じた。

僕は、自分が怒っている点はあなたが人のプライバシーを侵害したことであり、他人のメールアドレスを文中に入れることはプライバシーの漏洩なのだという一点だと彼女へ確認させるように言った。
そして、これ以上話をするのは無駄だと電話を切った。

電話を切ってから、彼女との話を振り返っていた。
モナは珍しく興奮していた。
突然モナをそんな行動に駆り立てたものは、一体何だったのだろうと考えていた。
しかしじっくりと考える暇を与えまいとするように、モナからチャットメッセージが入ってきた。

それはひどいものだった。
自分はとんだ間違いをしてきた。人を見る目がなかった。あなたはけだもの(beast)だとまで書かれている。
beastという言葉は辞書を見て意味が分かった。
そう言えば「美女と野獣」の英語タイトルにこのbeastという単語が使われていたっけなぁと一瞬思いながらも、その言葉が僕の胸に突き刺さり、さすがに頭に血が上った。

しかしモナがしたような、相手の人格を傷つけるような言葉は使わなかった。
あくまでもモナが行った、プライバシー侵害の問題に焦点を当てた。
そして、リン以外の4人は単純に友達関係であり、モナが思っているようなことは無いと伝えた。
しかしそれは弁明のつもりではなかった。
ただ僕が事実関係を宣言しておきたかっただけである。

僕には弁明するつもりなど全くなかった。
それは、モナの電話の口調とその後に送ってきたメッセージの内容から、彼女が自分との別れを決意した上での行動だと思っていたからだった。
彼女がそのつもりであれば、僕は弁明をしながらモナに追いすがるつもりはさらさらなかった。
僕は悪いことはしていないというその一点が、僕の強気を支えていた。

いざチャットで喧嘩となると、モナは強かった。
僕が次の一手を考えているときに、マシンガンから弾丸が解き放たれるごとく、次々とメッセージが送られてくる。

こちらが反論の一文を考えている間に、モナから3つも4つもメッセージが飛び込んできて、僕が書きかけた内容はすぐに役に立たないものになってしまう。
次第にそのメッセージは、神の話や人間の倫理の話に及び、お説教のようなものになっていった。

まるで反撃が追いつかなくなった僕は、キーボードから手を離し、次から次へと送られてくる英語の文章をただ読むことに専念した。

彼女がまだ冷静になっていないことは、送られてくる文章の全てが英文であることで分かった。
いつもの彼女はローマ字日本語に英語を少し混ぜてメールをしてくるが、彼女が興奮状態にあり、自分の意見を知らしめてやろうという気になっている時は、全て英文になる癖があった。

僕は全く関係の無い人達に二人の写真を送ったこと、そして送った人全員の名前やメールアドレスを文中に入れたことはあなたの間違いだ、それは間違いないと言い切り、謝罪メールを出せと彼女に要求した。
それは明らかに、関係の無い人のプライベート情報を漏洩したことになるからだ。

彼女は、自分の名前をきちんと明かし、ただ自分が僕の恋人だと紹介しただけであるから、悪いことをしたつもりは全くないと言った。
それで僕が怒ることが、僕に何かやましいことがある証拠だとも言った。
「謝罪するつもりがないのなら、もうあなたと話をすることはない、さようなら。」
と僕がそのチャット論争に終止符をうち、彼女からのメッセージもそれで止まった。

これで少しは息がつけると思っていたが、そうはいかなかった。
それから15分か20分もしてからだろうか、モナの母親からchikkaにメッセージが届いた。

それは、今モナと自分は病院にいる、モナはあなたと話をしてから倒れた、彼女に何かあったら私はあなたを絶対に許さないという内容だった。

彼女は興奮したりショッキングな出来事に遭遇すると、過呼吸のような状態に陥ることがあったのを思い出した。
息が苦しそうになり、話ができなくなる。
それが単なる過呼吸なのか、それとも心臓に異変をきたしてそうなるのかは、よくわからなかった。
そうなると彼女は苦しんで今でも死にそうな状態になり、以前も一度救急車を呼ぶ寸前にまでになったことがあった。

とにかく病院に運ばれ母親も付いている。
気にはなったが、再度自分から電話するのも気が引けて、ただうろたえながら連絡を待つしかなかった。

数時間後、モナ自身からメールが入った。
体調は回復し、家に戻ったとのことだった。
母親には事情を聞かれ、正直に自分のしたことを話したらそれは人間として間違っていると怒られたことが書いてあった。
しかし彼女の母親は、娘をそのように追い詰めた僕のことも責めているはずだと思った。
モナのメールには、とにかく自分は少し変になっていた、ごめんなさいと書いてあった。
僕はモナが無事だったことに安心しながらも、それに対して返事は出さなかった。

自分が悪いのかモナが悪かったのか良くわからなかったが、喧嘩の際にやり取りをした内容が僕にはショックだった。
「けだもの」という言葉が僕の頭の中で繰り返されていた。
この言葉が身に染みてこたえたのは、本当に自分はそうかもしれないと思っていたからだった。

たとえ興奮状態だったとしても、ひどい言われ方をしたもんだと落ち込むと同時に、そんなことを少しでも考えている人と、今後うまくやっていくことができるだろうか思っていた。

怒りに任せて人格攻撃をすると、絶対にしこりが残るものである。
僕はそれをやられて、かなりへこんでいた。
とりあえずは僕は、何も言葉を発したくはなかった。
沈黙を保ちながら、少しじっくりと考えたかったのである。
リンにもどう対応するべきか考える必要はあった。
しかしこの際、リンには正直に話しをするのも一つの手だろうと考えていた。

後で分かったことであるが、モナはリンに対してだけは添付の写真を他の人と変えていた。
リンには二人がベッドの中で裸で寝ている写真を送っていた。
その写真は布団をかぶっているものの、布団から出ている二人の肩が体に何も身に付けていないことを伺わせるもので、僕が寝ているときに携帯で撮った写真のようだった。
後にそれを見せられ、何とも残酷な写真を送りつけたものだと思った。

いずれにしてもこの出来事はひとまず峠を越えたかのように思ったのだが、実はそれからが事件と呼べる本番劇へ突入していく。

それはモナが放ったロケット弾が、コントロールを失い思わぬ方向へ飛んでいくような、誰も予想しなかった展開を生むのである。

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エントリー:リン96 モナの暴走
2009年07月06日

リン95 情報漏洩

モナが帰国後、彼女との連絡は、chikkaを経由し僕のPCと彼女の携帯の間で行っていたが、彼女がインターネットに接続できる環境を整えてからは、スカイプで会話をするようになった。 ※スカイプ:インターネット上の無料TV電話
このスカイプは画期的だった。
既に世界中で1000万人以上のスカイプユーザーがいるというのに、僕は横浜でモナに教えてもらうまでスカイプの存在すら知らなかった。
フィリピンにいるモナとスカイプで会話をすると、それがまるで夢のようなツールに思えた。

スカイプがつながるようになると、毎日夕食後は、寝るまで数時間も二人で話をしていた。
彼女の母親はそれに対してあまりいい顔をしていなかった。
「あ〜、あなたはまたフォールインラブになってるなぁ。もう遅いからいい加減にしなさいよ」
と、モナに対して小言を言うことがしばしばであった。
以前僕とのことでモナが大変な目に合っているので、母親は時間が遅いことよりも別のことを心配しているのは明らかだった。

しかし彼女は、とめどなく話題が溢れ出すようで、そんな母親の小言を尻目に、なんでこんなに話しがいっぱいあるのだろうと言いながらスカイプをやめようとしなかった。
確かに彼女が日本にいる時には、会っている時でさえそれほど話をしたことがない。
淀みなく長時間に渡って続く会話に、確かに不思議なほど話題があるものだと僕自身も関心していた。

後々気付いたことであるが、この様に毎日寝るまでスカイプを接続しておくことは、彼女はずっと僕を監視できるということである。
スカイプは僕がどこにも遊びに行かず、自分の部屋で大人しくしていることを確実にするための最高のアイテムだった。
それに気付いたのは、僕がどこかへ遊びに行こうと思った時だったという間抜けな話である。
ふと今晩のスカイプはどうしようかと思い、色々言い訳を考えるのが面倒になったために遊びに行くのを取りやめた。
彼女に率直にそのことを確認したら、「ばれちゃった?そうよ」と悪びれずに彼女は答えていた。
「あなた寂しいの?遊びに行きたい?いいよ行っても・・」
とは言ってくれるものの、それじゃお言葉に甘えて・・という訳にもいかなかった。

このスカイプは、彼女の娘「ベル」とのコミュニケーションを深めることでも役に立った。
ベルは当時5歳だったが、彼女が僕をダディーと呼んでいたのはもっと前からだった。
当初僕は、二人の関係がどうなるかも分からないのになぜ自分をダディーと呼ばせるのかと彼女の文句を言ったが、結局僕はずっとベルのダディーのままだった。
しかしベルは僕のことを、本当の父親として認識していたわけではない。
モナはベルに、本当の父親の存在を話していたからだ。

学校に行くようになったベルは、自分に父親がいないことを意識し始め、お父さんが欲しいということを匂わせる話をするようになっていた。
モナはベルに、僕がお父さんになるのはどうかとスカイプ接続中、僕の目の前で聞いていた。
ベルはモナの耳元で「OK」と話していた。
不思議とベルは、最初から僕のことを気に入ってくれていた。
モナはそれを、「彼女はアコの娘だらかタイプも一緒でしょ」と冗談で茶化していた。
しかし二人がもし結婚することになった場合、ベルの意見は重要になるので、モナがせっせと娘に刷り込み作業をしていたことは容易に想像できた。

二人で頻繁に会話をしていると、その最中に東京のおじさんから彼女の携帯に電話が入ることもよくあった。
そんな時には僕はよせと言うのに、彼女はスピーカフォンにしておじさんと会話をする。
おじさんはいつも酔っ払っていて、モナのことを愛していると繰り返している。
モナはおじさんに、「新しい店と女の子を見つけなさい、私はあなたに心がないから、早く忘れなさい」と確かに言っている。
「それは前から話しているでしょう」とも言っている。
はっきりと言うことはいいのだが、だったら帰国前日に20万のお金を当然のように受け取るんじゃないと、僕の中ではまたそのことがぶり返すのである。
そのことについて全く悪びれた様子もなく、心がないから忘れろと平気で話をするところに、彼女達を100%信じきれない「しこり」のようなものが僕の中に残るのだった
そのしこりは二人の関係の障害になるほど大げさなものではなかったが、いつかはそのしこりの原因になっているものを解明してすっきりしたいと思っていた。

彼女は秘密を持ちたくないといい、自分のプライベートメールも全て自分に公開した。
そして日本のお客さんから彼女の携帯に入ったメールは、いちいち僕のPCへ転送してくる。
僕は人のメールを読むのは嫌いだし、第一メールを出した相手に失礼だと思っていたので、何も疑っていないから転送はしなくていいと言った。
しかし秘密はだめでしょうと、相変わらず転送してくるのである。
読みたくないといいながら、それが転送されるとついつい読んでしまう。
その内容は特別腹が立ったり気になるものはなく、日本から遠い異国の地へ帰ってしまったフィリピーナに送る愛のメッセージの数々であった。
慣れない英語やタガログが混ざっているものもあり、しかもローマ字でさえ使い方を間違えた意味不明なメッセージも多かったが、一生懸命さは伝わってくる。
男はいくつになっても子供だと言われるが、それを見るとまさにその通りだと思ってしまう。

逆に僕は彼女にやましいことはなくとも、自分のプライベートなメールのやり取りを彼女に公開することはしなかった。
彼女から要求があっても、それはきっぱりと断っていた。
理由はメールを出した相手に失礼だという一点である。
もし僕を信じることができないのであれば、二人の関係を解消するかどうか、あなたの判断に任せるとも言った。
仮に彼女が「それじゃやめる」と言っても、僕はその考えを変えるつもりはなかった。
彼女は僕のこの態度に、納得していないようだった。
なぜ恋人同士に秘密が必要なのかと言ってきた。
それは秘密ではなく、プライバシーの問題だと言い返しても、恋人や家族の間にプライバシーを持ち出すのはおかしいというのが彼女の考え方だった。
彼女は、仮に僕に女性の友達がいて、その人と仲良くしても自分は理解するよう努力するというのだった。
僕は二人のプライバシーの問題ではなく、それはメール差出人のプライバシーであることを強調した。
しかし僕も彼女の言い分を半分は理解していたし、気持ちは100%理解していた。
僕か彼女か、どちらの言い分が正しいのか実は僕の中でも答えが見出せていなかった。
この議論は僕の中に、ちょっとした問題提起として残ることになった。

実際の僕のメールの中身はどうかといえば、以前たまに行ったことのあるフィリピンパブの女の子から時折メールが来ている程度で、あとはリンとのやり取りが入っているだけであった。
その中には、以前ブログでも登場したケイちゃんのメールも入っていた。
リンとのやり取りはモナを刺激するかもしれないが、いずれも内容は彼女に見られても問題ないものばかりであった。

しかしモナは納得していなかったようだった。
彼女は以前パンパシフィックのやり取りで入手した僕のIDやパスワードを使って、僕のメールにアクセスしていた。
日本語のメールのやり取りは彼女にはほとんど理解できないが、フィリピーナ相手のメールはローマ字か英語である。
彼女はそんなメールをピックし、僕と誰がどんなメールのやり取りをしているのかをチェックしていた。

ある日モナは、スカイプで話をしている時にケイちゃんの話をし出した。
如何にも遠まわしに話を始めたので、僕は最初、モナが誰のことを話しているのかわからなかった。
「ケイちゃん知ってるでしょ?彼女の家はアコの近所よ。彼女がアコの家に遊びに来たときに、アコの恋人っていって彼女にあなたの写真みせた。彼女驚いてたよ。それ知っている人だって・・・」
「ケイちゃんって誰?」
「あなたちんちんって呼んでたでしょ!」
「あ〜、あのケイちゃん?え?それほんと?あなたケイちゃんを知ってるの?」
「オオ、だから悪いことできないでしょ!」
「何も悪いことしてないよ。ケイちゃんが友達だったら、彼女に聞いたらそれよくわかるでしょ。彼女に聞いてみてよ。もし変なことを言ったら、僕が文句するから」

僕はこの時モナの話を信じており、世間は狭いと本当に驚いていた。
彼女が僕もメールからケイちゃんの情報を入手したとは夢にも思わず、僕が本当のことを知ったのはそれからしばらく後のことだった。

モナはchikkaやヤフーメール、ヤフーメッセンジャー、スカイプ、i-tune storeと、ほとんど僕の利用しているインターネットサイトのIDを覚えていた。
chikkaなどは一度ログオフするとメッセージのやり取りが消えるものと思っていたのだが、実はメッセージヒストリーという機能があり、そこにログを残しておくことができるようであった。
僕はそんなことも知らずにただ使っているだけだったが、モナはしっかりとそんなものも利用していた。

そしてモナはそこから入手した情報を使い、僕を大混乱の渦の中に巻き込んでいくのである。
そしてモナが発端となったその事件が、モナ自身を追い込んでいくことになった。

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エントリー:リン95 情報漏洩
2009年07月05日

リン94 モナ帰国

しばらく僕たちは、これといった事件もなく比較的幸せな日々をおくっていた。
事件と言えば、僕がモナが望むほど彼女と会うことができずに彼女をいらつかせていたこと、そして珍しく僕が彼女にネックレスをプレゼントして、それを彼女がとても喜んだことくらいであった。
それは小さなダイヤがヘッドについているゴールドネックレスで、きちんと自分の気持ちを形にした初めてのプレゼントだったが、彼女にとってもそれが、生まれて初めてもらうジュエリーのプレゼントだと知り驚いた。

そんな日々を送っている時に、彼女が二人の将来のことで僕の気持ちを確かめるようなことを頻繁に言い出すようになった。
「マハル、アコと結婚する?」「アコがフィリピンに帰ったらあなたはもうバイバイする?」「あなたと一緒に暮らすのがアコの夢だなぁ」「あなたはアコいないとき浮気する?」
そんな言葉の中に「マハル、アコと一緒に逃げようか」というのがあった。

「逃げる?なんで・・そんなことをしたら、後で大変だよ。何かあるの?」
「何もないけど、アコ我慢できない。あなたと一緒にいたい。」
「それじゃここに住む?でもここから横浜に通うのは大変だよ。」
「それはわかるよ。だから横浜のお店は辞める。アコはここで仕事探す。それかあなたとどこかに行って、そこでアコも働くよ。」
「VISAはどうするの?延長できないでしょ。」
「だから逃げる。VISAなくてもしょうがない。」
「それは無理だよ。今は良くてもあとで絶対に後悔するよ、それ。」
なぜ突然そのようなことを言い出すのだろうと、僕は不思議に思っていた。
何かを焦っているようにも感じたが、それが何かを彼女は言わなかった。

そしてしばらくしてから、彼女は突然フィリピンに帰ると言い出した。
「どうして?VISAの延長はできるんでしょ?」
「でも今帰らないと大変だから。成田でフィンガープリント始まるでしょ!」
噂程度で聞いていた指紋照会システム導入のことを彼女は言っているのだ。
僕はあまり気にしていなかったので、そのことについて詳細を調べようとも思っていなかったが、彼女はそのことを早い段階から気にしていたらしい。
偽名の偽装パスポートで入国している彼女には、成田で指紋を取られると二度と日本へは入国できなくなるかも知れないという危機感があった。
それから自分も調べようとしたが、フィンガープリントに関しては、当時不思議なくらい詳しい情報が取れなかった。
それでも一度帰った方がいいだろうという結論に達した。

二人でそれを決めてから、彼女は具体的なフィリピン帰国に向けての準備を素早く進めた。
離婚手続き、航空券手配、フィリピンへの荷物配送と、あっという間に全てを整えた。

出国時にフィンガープリントがあるのかどうか、実は今現在でも良く知らないのだが、少なくとも入国時のフィンガープリントで引っかかり、入国拒否されるケースがかなり増えていることは事実である。
今になって思えば、彼女の素早い対応で今後入国時の心配がなくなるのであるから正解だったと言わざるを得ない。

彼女はそのフィンガープリント認証システムが導入される前に帰国するか、もしくはフィリピンを捨てる覚悟で僕と一緒に日本で暮らすか、どちらかで悩んでいたようだったのだ。
彼女には、自分が一度帰国した時点で二人の関係が終わってしまうかもしれないという危惧があったらしい。


帰国日はあっという間にやってきた。
僕とモナはお互い、彼女の帰国前3日間仕事を休みにして横浜で一緒に過ごした。
どうしても彼女の帰国前にひと目会いたいという客に対しては、彼女は30分だけと時間を区切って僕の前から姿を消した。
その中の一人に東京のおじさんもいた。
東京のおじさんは、餞別だといって彼女に20万の現金が入った封筒を渡した。
彼女達が帰国に際して、それほどの餞別をもらうものなのかと初めて知って驚いた。
そしてそれほどの大金を平気で受け取ってくる彼女にも、引っかかるものを覚えた。

モナはフィリピーナの中ではしっかりした方がだと思っているのだが、お金や物をあげる人たちの下心について考えたりしないのだろうか、そしてプライドのようなものはないのだろうかと思ったのである。
また、常識として彼女たちが遠慮する金額はいくらなのだろうかと考えてしまった。
もしかして無制限なのだろうか?それともある程度の金額に達したら、それは受け取れないとなるのだろうか?もしあるとすれば、それはいくらなのだろうか?

このお金の件で、僕は少しモナに苦言を呈した。
もし東京のおじさんをただのお客さんと言うのであれば、それは仕事の対価として受け取ったお金なのか?
仕事の対価ならば、あなたの仕事はそれだけの価値があったと考えているのかということをモナに問い詰めた。
それに対してモナは、それは彼が決めることだと答えた。
また、後々そのような献金の見返りを求められ問題になるかもしれないが、それはどう考えているかと聞いた。
モナは、彼には自分の気持ちを正直に話しているし、嘘も一切言っていない、彼が期待することは何も言っていないから、そんなことは問題にならないと答えた。

僕は答えるモナをジーっと見つめながら、そこにどの程度卑しい気持ちがあるのだろうかを読み取ろうとしていたが、よくわからなかった。
そして僕は、彼女が人間の心理というものを理解していないのかと心の中でつぶやきながら、その話を止めた。

フィリピンは基本的に欧米型の契約社会であり、物事を割り切って考える傾向がある。
そんな割り切りが、そのようなケースにも当てはまるのだろうかと、僕は当時いろいろ考えながら本当にわからなくなっていた。

僕はそれまで、フィリピンパブで知り合った女性に餞別など渡したことはなかった。
過去に一度、モナが帰国する際に持っていたUSドル札を渡しただけだった。
それでも当時渡した500ドルは十分だろうと思っていたのだが、もしかしたらそれも、些細な小遣い程度の金額だったのかもしれないと思った。
僕はその日、彼女に対して特別な餞別など何も用意していなかった。
恋人は何もあげず、お客さんが5万、10万、20万と彼女にお金を運んでくる。
お金の問題に関してだけは、どうにも割り切れないもやもやが心の中を占めていた。

それどころか彼女はその日の食事やでかけるお金を全て自分が払うといってくれたことで、僕はますます複雑な心境に陥っていた。
最初僕はこの申し出を断ったが、彼女は自分が払うといって譲らなかった。
僕は了承する代わりに、そのお金をその封筒から出すことだけはやめてくれとお願いをした。
さすがに彼女もその意味は分かっているらしく、当たり前でしょうと答えてくれたことが、せめてもの救いになっていた。


その日僕は、翌日彼女がフィリピンへ帰国することに対してまるで実感が湧かなかった。
彼女が温泉旅行にでも出かける程度にしか思えず、不思議なくらい感傷的な感情がなかった。
やはり僕の愛はいびつだと密かに思っていた。
もしかしたら彼女に対して、やはり愛はないのかもしれないと思っていた。

いつもと変わらない雰囲気で食事をし、散歩をした。
彼女もいつもと変わらないように見えた。
淡々とデートをし、最後にそれじゃ気をつけてと声をかけて別れるつもりでいた。
しかし夜中に入ったカラオケボックスで、僕がB'zの「HOME」を歌っていた時に、突然苦しいほどの悲しみが僕を襲った。

HOMEは何かを意図して選曲したわけではなかった。
何気に選曲し、普通に歌い始めた。

「君を傷つけていっぱい泣かせて 僕はもう眠れなくて、 後悔してるのに また繰り返す どうしようもなくだめなんだ。 ありがとうって 思うことのほうが 断然多いのに どうしてもっとうまい具合に 話せないんだろう・・・言葉一つ足りないくらいで 全部壊れてしまうような か弱い絆ばかりじゃないだろう さあ 見つけるんだ 僕たちのHOME・・」 

その歌詞が見事なほど自分と重なった。
僕がモナを泣かせた時には、自分が悪いと分かっているのにいつも意地になっている自分がいた。
喧嘩をした後は後味が悪く、どうしようもないくらいに寂しい気持ちになり落ち込んでいるのだが、それでも素直に謝ることもできず、悪くない彼女が僕にいつも謝っていた。
その繰り返しに随分苦い想いと後悔の念を積み上げてきたのだが、それでもやはり彼女の前では素直に謝ることも感謝の気持ちを言うこともできなかった。

HOMEを歌いながら、彼女が翌日日本から去ってしまうことを初めて実感した。
「さあ見つけるんだ 僕たちのHOME」という言葉が、彼女に対して言いたい自分の気持ちと重なった瞬間に声が詰まった。
なぜこんな間際になって気付くのだろうと、自分の愚かさを呪った。
じたばたしても、彼女の帰国は変更できない。

僕は珍しく、自分の心のうちを素直に話した。
「やっぱり寂しいよ。フィリピンに帰るのやめない?」
「アコも寂しいよ。でも帰るのはやめられないでしょう。」
「そうだよね。なんか悲しいなぁ。横浜は良かったね。あなたがフィリピンに帰ったら、もうここに来れないよ。」
「来ればいいでしょ」
「一人で?それいやだな。色々思い出したらもっと寂しいよ。」


彼女は翌日、予定通りフィリピンへ帰国した。
同じ別れでも、自分が去る場合と自分が取り残される場合では随分と寂しさの度合いが違うことに気が付いた。
取り残される方が、圧倒的に寂しい気持ちになる。
かつての僕は、その寂しさをリンにもモナにも何度も味合わせていたのだと思った。

翌日から僕は、まるで腑抜けになったかのように何もする気がおきなくなってしまった。
彼女の存在が、いつの間にか自分の中で大きくなっていることを身染みて実感した。

それまで僕のモナに対する付き合い方は刹那主義の典型だった。
もしくは御都合主義とよんでもいいほどだった。
それは自分でも分かっていたことであったが、彼女がいなくなってから、そのことに対する後悔の念が沸々と湧き上がってきた。
これほどの想いをするのであれば、彼女が日本へいる時に、将来のこともきちんと話しておくべきだったという後悔の念である。

それから彼女が自分の家にインターネットの回線を準備するのを、僕は首を長くして待つことになった。

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